2011年12月15日木曜日

アーティストというよりクリエイター

若いころ、20歳すぎくらいからミュージシャンとなり、その後小説家、コンテンツプロデューサー、朗読演出家と変遷してきましたが、いつも自分が表現者とかアーティストと称することに違和感を覚えていました。
 毎月、下北沢・音倉でやっているランチタイムコンサートもピアニストとして演奏しているわけですが、なかなかお客さんが集まらず、本来自分が楽しく演奏できればいいと思っていたのに、外部評価ばかり気になり、いっそやめてしまおうかと何度も思ったのです。
 自分はアーティストとしてではなく、演出やセミナー講師など、だれかの潜在的な才能を引き出して伸ばしたり、育てていくことのほうが向いているのではないかと、とくに近年感じはじめたことにも原因があります。アーティストとして生きるより、いっそ教育者として割りきったほうが、自分にも人にもいいのではないか、と。
 自分がやりたいことと、自分が向いていることとは違います。というのが、このところの私の考えでした。たしかにそのとおりなんですが、しかし、やりたいことを押し殺してまで自分を向いていることに向けさせることは、結局自分の半分を殺してしまうことになるのだ、と気づいたのです。そしてさらに、私はアーティストという言葉より、クリエイターという言葉のほうが自分にはしっくり来るなあ、と気づきました。
 音楽を作り、文章を作り、舞台を作り、人を作る。うん、なんの不都合もないではないですか。