2011年12月1日木曜日

名越康文さんの「こころカフェ」に行ってきた

テレビやラジオにも引っ張りだこで、著書もたくさんある有名な精神科医の名越康文さんが、下北沢の音倉で「こころカフェ」をやるというので、行ってきました。
 ツイートを見てネットから事前申し込みをしたんですが、なんとすぐに定員一杯になったとのことで、行ってみると音倉は超満員。かなり窮屈でした。
 トークショーのような形です。テーマは「こころの病」だっけな。
 こころの病とはなにか。現代人はみんな病んでいる。そのケアの方法。そんな話を、対談というか、雑談形式で寄り道しながら2時間半、聴きました。
 さすがにトークはおもしろく、名越さんの人柄も好感が持てます。お客さんは女性が多く、しかも若い女性が多いのには驚きました。名越さんのファンなんでしょう。そのこともうなずけます。
 が、肝心の心理学的な話の内容は、私にはちょっと物足りなかったです。私が現在体系化している音読療法のなかにほとんどあるような話で、目新しいものはあまりなく、また、「怒り」や「悲しみ」といったマイナスの感情の扱い方についても「?」と疑問の残るものでした。この点については、ホルヘ・ルビオから学んだNVCの方法のほうがはるかに優れているし、認知行動療法に照らしあわせてもNVCや音読療法のほうが進んでいると思いました。
 著書を少し読み、トークショーを一回聴いただけなので、断言はできませんが、精神医学の世界は意外にまだまだ遅れている面があるんじゃないかと感じました。心や認知の科学は、いま一番研究が沸騰して日進月歩の世界なので、臨床の世界に応用されるようになるには時間がかかるのかもしれません。