朗読者にとってはだれもがおぼえのあることだろうが、朗読のためのテキスト作品を選定するのはけっこう苦労するものだ。
たとえば朗読ライブのための作品を選ぶとき、その長さやわかりやすさ、雰囲気、テーマの適不適など、ちょうどいい作品をさがすのに苦労する。
そういう人のために、私は自分が書いた音声化を前提としたテキスト作品のすべてを「水色文庫」というブログで公開し、著作使用権を開放している。
私は小説家になる前からラジオ制作に関わっていて、小説家になってからも、そして現在にいたるまでも、ラジオという媒体は好きで関わりつづけている。
最近はラジオ番組の仕事はなくなってしまったが、自分で勝手にネットラジオを作ったりしている。
小説家になってから、ストーリーと音楽で構成するラジオ番組のためのテキストをたくさん書いて、それが楽しかった。
以来、活字以外に、音声化を目的としたテキストをたくさん書いてきた。
それがいまの現代朗読協会の主宰という立場に私をみちびいたのかもしれない。
朗読のためのテキストをさがしている人たちにいくらかでも提供できればいいと思って「水色文庫」を公開し、また新作もすこしずつ追加している。
ここに公開している作品は、とくに私にことわることなく勝手に使ってもらってもいい。
実際に多くの人が使ってくれていて、ネットで公開されているものもあれば、私には知るよしもない朗読ライブで読まれているようなパターンもあると聞く。
たまにメールなどで連絡をくれて、私に使用許諾を申しでてくる人がいる。
そんなことをする必要はないのだが、作者としては自分の作品がいつ、どこで、だれによって読まれるのかを知ることができるのは、もちろんうれしいのだ。
山梨放送というラジオ局があって、そこの「ラジオ図書室」という番組で私の作品を読みたいと、アナウンサーの海野紀恵《うんのきえ》さんから昨年連絡があったときもうれしかった。その番組はアーカイブされていて、ネットで聴くことができる。
「 サンタの調律師 」朗読:海野紀恵アナウンサー
もうひとつ、明日の山梨放送のラジオ図書室では、私の『 祈る人 』『 捨てる 』『 Night Passage 』が櫻井和明アナウンサーによって読まれるそうです。
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