2013年1月30日水曜日

「昏沈(こんじん)」について

photo credit: Ed Yourdon via photopincc

「昏沈」は仏教用語のひとつだが、宗教的意味をはなれて、
「こころここにあらず、なんに対しても集中できず、やる気なくぼんやりとしている」
といった状態をさすこともある。
特徴は「無表情」。

似たような心身の状態として「反芻思考」におちいることがある。
過去にあったなにかの記憶を繰り返し思い出してしまう、まだ起こってもいないことを心配してそのことが思考からはなれない、あるいは遠くはなれた家族や知人のことを心配してそのかんがえを振り払うことができない、そういった繰り返しの思考におちいる状態のことだ。
思い出にふける、というのも反芻思考だ。
これはうつ状態におちいる入口であり、反芻思考を断ち切ることがこころの健康にとって重要である。

昏沈もあまり健康な状態ではない。
昏沈も反芻思考も、ぱっと見はそっくりな外見状態だ。
どちらもぼんやりと無表情で、目には生気がない。
実際、どちらも本人は活力が起こらず、なにもやる気になれない。
昏沈も反芻思考と同様、それを断ち切ることが重要だ。

昏沈も反芻思考もそれを断ち切るには、マインドフルネスをこころがける。
マインドフルネスを実現するにはさまざまな方法があるが、もっともシンプルで基本的な方法は呼吸法だ。
呼吸法をおこない、自分の呼吸を観察する。
自分がいま生きてここにあって、身体とこころがたえず動いていることに「気づく」ことがマインドフルネスにつながっていく。


マインドフルになり、自分自身に気づいている人は、いきいきと自分のニーズを見つめ、行動していくことができる。
この具体的な方法は音読療法の呼吸・音読法にもシンプルにまとめられている。

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