2012年10月31日水曜日

「腹が立った」ことを人に伝えるとき

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共感的コミュニケーションの方法を身につけていても、腹が立つときは腹が立つ。
自分がないがしろにされた、侮辱された、決めつけられた、さまざまな場面で、日々腹立たしいことは起こる。
共感的コミュニケーションはそういった感情を押さえこむ方法ではない。
むしろ、それらの感情ときちんと向かいあい、対処する方法だ。

先日、ある知り合いが、自分がのけものにされていると感じ(なにかの集まりの連絡が彼に行かなかったようだ)、そのことにたいしておそらく自分がないがしろにされた思って「おれは腹が立ったんだ」ということをみんなに向かって表明していた。
そのこと自体は悪くない。
自分の感情をきちんとわかり、それを相手に伝えようとするのは、感情を無視して黙りこんだり、がまんするよりはずっといい。
ただ、その感情の伝え方には方法がある。

相手からただ「腹が立った」といわれると、たいていの人は「あ、ごめんなさい」と萎縮してしまう。
相手から「尊重のニーズが損なわれて腹が立った」と、ニーズをそえていわれると、「ああ、尊重のニーズがあったのね」と理解できる。
このふたつのあいだには大きなちがいがある。

ニーズをそえて感情を伝える。
たったこれだけの単純な方法で、つながりの質を保ったまま自分の感情を伝え、なおかつ自分のニーズを相手に理解してもらうことができる。