2012年12月9日日曜日

ストレスがあるときに神経系で起こっていること

photo credit: Stephen Poff via photopin cc

人が受けるストレスには3種類ある。

1. 物理的ストレス
2. 心的ストレス
3. 生理的ストレス

物理的ストレスは、たとえば車にぶつかりそうになった、階段から落ちそうになった、包丁で指を切ってしまった、といったアクシデントのことだ。
地震なども物理的ストレスといえる。
思わず身構えて、アクシデントに備えようとする。
そのとき、身体のなかでどんなことが起こっているだろうか。

頭でかんがえるより速く反応するのは、生命維持のための脳幹や運動機能をつかさどる小脳の部分で、とくに自律神経系の交感神経がパッと昂進する。
鼓動が速まり、血圧が上昇し、呼吸が浅くすばやくなり、筋肉が収縮し、体温も上昇する。
つまり、すばやく動いて反応し、アクシデントから身をまもろうという身体の反応が起こる。

その反応は、心的ストレスや生理的ストレスでもおなじように起こる。
心的ストレスというのは、だれかと喧嘩した、職場での人間関係がうまくいかない、地震のときの恐怖ばかり思いだして不安になる、家族を亡くした悲しみがいつまでも消えない、といった心理的なことが原因だ。
生理的ストレスは、風邪をひいた、寝不足だ、おしっこをがまんしている、お腹がへった、あるいは食べすぎた、身体が冷えた、といったことで起こる。
この両方とも、物理的ストレスと同様の反応が人の身体には起こる。

脳幹は物理的ストレスも心的ストレスも心理的ストレスも区別することなく、律儀に身体で対処できるように交感神経を昂進させようとする。
心的ストレスだと、鬱々として気持ちは落ちこんでなにもする気になれないのに、身体は活動的になる準備をしている、という状態になる。
生理的ストレスだと、疲れて早く休みたいのに、身体だけ妙に活発で興奮している、という状態になる。
いずれも困った状態である。

こういった状態から抜けだすには、適切に副交感神経を昂進させ、身体に休息・回復モードにはいってもらう必要がある。
そのための唯一の方法が呼吸法であり、音読療法ではさらにテキストを音読するという方法によってさらに呼吸法を補助していく。
簡単な方法なので「こんなので効果あるの?」と思われる方が多いようだが、呼吸法を丁寧にやってみればその効果は必ず実感できるはずだ。