2012年12月18日火曜日

『共感的コミュニケーション〔入門編〕』という本

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共感的コミュニケーションの本を書きはじめている。
本といっても、既成の出版社と面倒な交渉はやりたくないので、てっとりばやく電子書籍にしようと思っている。
人間関係やコミュニケーション、ストレスフルな社会生活などに悩んでいる人に少しでもお役に立てれば幸いだし、そういう人がすばやくアクセスできて読める本になればいい。
体裁はあまりつくろわないでいこう。

その「はじめに」の部分を全文、紹介する。


  はじめに


 共感的コミュニケーションはアメリカの心理学者、マーシャル・ローゼンバーグによって提唱され体系化されたNVC(Nonviolent Communication)を、いくらか噛みくだき、とくに言葉使いなどを日本人にも使いやすくすることを目的に整理したものだ。
 当初はNVCを日本人に使いやすいようにする、という発想でおこなっていた作業だが、最近では日本人の精神性、身体性、社会性のなかにもともとあるNVC的なものに着目し、より日本人にしっくりくる体系にしようという作業をおこなっている。
 というのは、NVCは英語圏、キリスト教圏におけることば使いや論理構造、発想法から生まれている側面が多く、日本人でも帰国子女や海外留学経験のあるバイリンガルの人たちや、クリスチャンの人たちがすばやくしっくりとNVCになじむ姿を多く見る一方、土着の(笑)日本人はなかなかなじめずに苦労する、という姿を見ることが多かったからだ。なにを隠そう、私もそのひとりだった。
 NVCにはある種の文法があり、入門者はその文法にのっとったことば使いを学ぶ必要がある。その部分でどうしてもなじめず、せっかくの宝を前にして去っていく人が多い。私もすんでのところでそうなるところだったが、幸いにも多くの仲間にささえられて入門の部分をなんとか乗りこえ、NVCの真髄に触れることができた。もし入門でつまずいていたら、私はいまも変わらず、暴力的で非共感的な世界に生き、競争的でつらい人生をはいまわっていたことだろう。
 私は現在、共感的コミュニケーションをさまざまな場面で人に伝えるチャンスを持っているが、どうすれば入口のところでつまずかないですむか、いつもかんがえている。
 このブックレットもそのような思いで書いた。
 一見とっつきにくく、日常生活で使うことが難しいように見える共感的コミュニケーションだが、最初の関門をくぐりぬけることができれば、どなたも世界がパッと開けたような気がするだろう。そのための最初の一歩としてこのブックレットがあなたのお役に立てれば、こんなにうれしいことはない。
 どうぞ最後までお付き合いいただきたい。