2012年12月19日水曜日

『共感的コミュニケーション〔入門編〕』活動

photo credit: wokka via photopincc

 私は現在、作家、音楽家として活動すると同時に、現代朗読協会の主宰、音読療法協会のオーガナイズをおこなっている。
 現代朗読においても音読療法においても、共感的コミュニケーションととても重要な役割をはたしていて、切っても切れない縁となっている。
 現代朗読では、まず、コンテンポラリーアートの基本である「表現者が自分の優位性をオーディエンスに誇示しない」というかんがえかたをベースに、コミュニケーションとしての朗読表現をより発展させて、表現行為そのものが共感的コミュニケーションであるという立場で表現行為をおこなっている。
 また、協会の運営の方法そのものに共感的コミュニケーションを使っている。
 これは別項で述べるが、共感的コミュニケーションは組織運営においてとても強力なツールとなりうるのだ。組織というのは、NPO法人のような組織ももちろんだが、仲間うちのグループ、職場、劇団、運動団体、家庭といった広範囲なものをふくんでいる。
 現代朗読協会には現在30人くらいの会員(ゼミ生)がいるが、だれもが安心して参加し、お互いに共感できる場となっている。人生がまったく変わったといってくれる人もいる。

 現代朗読協会は表現活動のほかに、社会貢献活動として学校や老人ホーム、東北の被災地をふくむ地域の集まりなどで音読ワーク・音読ケア活動をおこなってきたが、この活動が発展した形で音読療法協会というものができた。
 こちらは音読療法として体系化された補完医療のスキルを身につけてもらうことで、精神的・経済的にも自立し、共感的に生きていけるような人を育成することが目的だ。
 スキルの取得程度におうじて資格認定をおこなっていて、すでに40名くらいのボイスセラピストがいる。
 音読療法の方法そのもののなかにも共感的コミュニケーションを採用していて、これは最新の精神医学でいうところの「認知行動療法」にも通じるすぐれた方法だと認識している。
 音読療法ではこれにさらにマインドフルネスのスキルを加えて、すぐれたセルフ心身ケアの方法を体系化している。
 これらはまさに共感的コミュニケーションの実践の場でもあり、先日も、これからセラピーコミュニティを運営していきたいという人が自分の本当のニーズにたどりつき、それを言語化できたことで、大変気持ちが落ち着いて自信を持つことができたといっていた。