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私が高校生くらいのときにアイドルだった音楽バンドに、ジャズの「ウェザー・リポート」というグループがあった。
詳しくは書かないが、ジョー・ザビヌルが駆使するシンセサイザーサウンドとエスニックな雰囲気をジャズと融合させた、いわゆるフュージョン音楽のはしりだった。
ウェザー・リポートは1970年ごろに結成されたグループだが、その後10年くらい活動していた。
その間に私は1976年に高校を卒業し、田舎から京都に行って学生生活を始め、その数年後にはバンドマン生活にはいっていた。
当時、バンドマンはまだ仕事がたくさんあって、そこそこ収入があったので、買いたい楽器を買うことができた。
当時50万円以上したシンセサイザーやエレクトリック・ピアノ、エレクトリック・オルガンなどを買いこんで、電気楽器を駆使したバンド活動にのめりこんだりした。
カラオケブームがやってきて、あっという間にバンドマンの仕事がなくなり、田舎に帰ってピアノ教師を始めたときは、すでに熱中していたコンピューターを使った音楽にも手を出しはじめていた。
当時は音楽制作ソフトもほとんどなく、あってもmidiデータを数値を直接入力して編集するようなものだった。
それが1980年代。
いろいろあって、ラジオ番組の制作にたずさわったり、職業作家になったりしたが、オーディオブックを作る会社を立ちあげ、音楽もコンピューターを使って自前で作るようになった。
そんなわけで、デジタル音楽にはけっこう詳しいのだ。
今回、11月9日(あさって)にフットセラピストの珠央さんと「玉響のとき」というコラボイベントをやらせてもらうことになって、どんな音楽をやろうかとわくわくしている。
羽根木の家でおこなうので、アコースティックのピアノはない。
デジタルピアノがあるのだが、これはあまり音がよくないので、そのままで使うつもりはなく、midiキーボードとして使うことになるだろう。
音源としてMacを鳴らすことができる。
デジタルピアノにつないだMacを鳴らす。
シンセサイザーが一台あるので、それも音源として鳴らせる。
Macが2台あるので、別のmidiキーボードをつないで、別の音源を鳴らすこともできる。
ほかに私が日常的にサンプリングしておいたさまざまなノイズや街の音、人の声なども、音響として使うことができる。
これもMacで鳴らすか、iPhoneもしくはiPodで鳴らすか。
これらをミキサーにつないで、いろいろな音をミックスしながら、即興演奏をおこなう。
演奏はフットセラピーの様子や参加者の様子、羽根木の家の環境とシンクロしながら、瞑想的音楽にしていきたいと思っている。
アンビエントな、音楽というより音響空間のようなものを作りながら、しかし即興で参加している人たちをさまざまな風景へと連れていけたらうれしい。
どんなことをやろうか、どんな音を重ねようか、あるいはどんな静寂を作ろうか、羽根木の家の鳥の声も音楽のなかにうまく取りこめるかどうか。
いろいろなことを想像して、いまから楽しみなのだ。
「玉響のとき Vol.2」についての詳しいことは、こちらをどうぞ。