2012年11月7日水曜日

現代朗読における現代アートとエンタテインメントの両側面

現代朗読は「コンテンポラリーアート」の側面とエンタテインメントのふたつの側面を持っている。
私たちはそれをとくに区別はしていないが、現象として先端的表現になっていたり、娯楽的になっていたりすることが、結果としてある。
しかし、ゼミ生のなかにはまだまだそれらを区別して目的化したいという人がいるので、それはそれで拒否するものではない。
コンテンポラリーをやりたい人、エンタテインメントをやりたい人、それらが混在しておたがいのニーズを大切にしあえるのが、げろきょこと現代朗読協会の特徴ともいえる。

今週末11月10日からは第12期となる「朗読はライブだ!」ワークショップ全6回シリーズがスタートする。
これは毎回進化/深化しつづけてきているワークショップで、主宰の私ですら毎回驚くようなことが起こるので、楽しみにしている。
12期は、前回の11期と同様、最終ライブ発表は明大前の〈キッド・アイラック・ホール〉でげろきょ公式(ほぼ定期)公演を兼ねておこなわれる。

これまで何度か書いてきたことだが、(日本の)朗読という表現分野においてコンテンポラリーアートの考え方を持ちこんだ人はほとんどいなくて、現代朗読協会がほぼ唯一の団体だろう。
それと同時に、朗読はエンタテインメントでもあるという、ライブがなんて楽しいんだろう、朗読がこんなに楽しいなんて知らなかった、というレスポンスをもらっているのも現代朗読の特徴といえる。

音楽を聴く人がジョン・ケージの「4分33秒」という作品を聴いて、それ以前と以後と音楽が違って聴こえるようになった。
それとおなじように、朗読を聴く人が現代朗読に接して、それ以前と以後とで朗読の聴き方が変わってしまった、といってもらえるような朗読を提供したい。
そして、その人たちはだれもが知らなかった朗読の楽しさを知ることになるのだ。
聴く人も、そして朗読する人も。

第12期生の発表は年末12月28日と29日に〈キッド・アイラック・ホール〉でおこなわれる。
聴きに来ていただけるとうれしい。
それ以上に、私たちに参加してもらえるのはもっとうれしい。
第12期ライブワークショップの詳細は、こちら