2012年11月14日水曜日

バラさんの「木を植えた人」300回記念公演レポート

ちょっと間があいてしまったが、名古屋の〈マテル ガーデン&カフェ〉でおこなわれた「木を植えた人」300回記念公演の模様を、朗読者のバラさんこと榊原忠美氏がブログに書いているので、紹介したい。

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 こうして、今夜の朗読会は好意的な!?39人(男性8人)を迎え、7時半に始まりました。
 まずは、二人のミュージシャン、水城雄さん(ミニキーボードをMacBookに繋いで音を出す)と、地元 大高に住む音楽家の坂野嘉彦さん(クラリネット・鍵盤ハモニカ)が、新たに杪谷から投げかけられた今夜の提案に、一度のリハーサルもなく挑みます。素晴らしい!!!
 いつものようにジョン・タバナーの「挽歌」が流れると、二人が曲に合わせて演奏します。そのあと、杪谷が「挽歌」をF・O。二人の息の合ったコラボ(即興)が暫く続く中、再び「挽歌」を挿入。朗読会の定番に戻り暗転としたのです。その間に、蝋燭明かりでオーナーの千恵子さん自らが、燭台下げに挑戦!!実はお客さんがいて練習が出来ず、流れを口頭で伝えて本番。花粉症で咳き込む千恵子さん。それでも緊張を携えて咳を押しやり、キッチンから颯爽とスタート。日常の歩みから、燭台を下げたときには、すでに女優みたい!?になっていました。観客後方の丸椅子に腰を下ろしたのを確認して、千恵子さんの後ろからゆっくりと進み出ました。これまでの思い出の中、言葉を噛みしめるように・・・しかし、最初の一言「ある人が・・・」が“あらら”音が響かず、かなり小さい。これ、やや失敗!!そこで、さらに一歩進んで続きです。これは予想通りの響き方で安心しながら朗読椅子へと向かう。窓を覆っていない会場も遠くのネオンがちらっと見える程度で、案外暗い。これまでのことが浮かんできます“走馬灯のように”。照明が点かず、朗読をやり直したこと、大きな声で業者が「弁当屋です~」とやってきて、帰るのをジッと待ったこと、アブが顔に飛来、私も観客もハラハラドキドキしたこと。大雨の中、60m先のポプラの木に照明が当たると皆さんが感動したこと。教会の礼拝堂のキリスト像にライトを当てると、敬虔な気持ちになったこと。東日本大震災の夜「朗読を聞くことが出来、とても気持ちが安らいだ」と感謝されたこと。移動中の電車が落雷に遭い、開演に遅れた時も、ケーナの奏者たちが演奏で繋いでくれたことなどが、脳裏を掠めています・・・心地よい時間です。
 多分、杪谷も照明を操作しながら、同じように時が過ぎていることでしょう。
 立ち現れる様々な思い出に浸る分、感情はいつもより上向き加減。しかし、主人公ブフィエが語る言葉だけは、これまで通り、いや、これまで以上に淡々と読み進めました。
 朗読を終え、エンヤの「エヘ・レ・ナム」が流れると、二人のミュージシャンがプロローグと同じように曲に呼応するようにプレイ開始。暫くはエンヤとのライブ!その中で、杪谷が庭の樹木を見事にライトアップ、観客の心を揺さぶりました。二人の生演奏がF・Oしてエンヤの曲のみが残り終焉を迎えたのです。
 そのあと、この記念公演のために水城さんが書き下ろしてくれた『朗読者』というタイトルのミニ朗読を杪谷の照明、水城さん、坂野さん、私の4人でコラボレーション。こうして、まずは記念すべき300回目の朗読会を完遂したのです。
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