2012年1月9日月曜日

ダンス・インパクト吉祥寺 Vol.1 に行ってきた

ゼミ生のなおさんに誘われて、ちょうど時間があったので、吉祥寺シアターまで行ってきました。
 出演は「キリコラージュ」「クリタマキ」「MOKK」の3組。主催は武蔵野文化財団。
 いや、おもしろかった。ちょっとびっくりしました。
 コンテンポラリー・ダンスの世界では有名な人たちなのかもしれませんが、私はいずれも知らない人ばかりで、もちろん初めて見ます。しかし、どれも大変おもしろかったのです。
 そういえば、出演者は全員女性でした。

「キリコラージュ」はふたりの女性のデュオダンス。演劇的要素があったり、ちょっとユーモラスでポップだったり、楽しいのですが、ダンスのキレは大変すばらしい。
「クリタマキ」はソロダンス。梶井基次郎の作品『檸檬』をモチーフにした作品で、最後にはたぶん500個くらいのレモンがステージ上にばらまかれて、それを蹴散らしながら踊るという壮観。かなりハードなダンスでした。
 そして「MOKK」がすばらしかったのです。演出と振り付けがすばらしく、一瞬たりとも目が離せないようなスリリングなパフォーマンスでした。そして私好み。コンテンポラリーの王道のような動きから、人が入れ替わってのめまぐるしいトリッキーな動き、不気味な群舞、そして歌にもびっくり。全員が声を出して音響空間を作りながら踊ったのです。音楽の扱い方も秀逸でした。
 始まってしばらくしてから思ったのは、これはげろきょのパフォーマンスの朗読をダンスにしたものにそっくりだ、ということです。つまり、コンセプトが似ているのです。

 コンテンポラリーはダンスも朗読も「意味」や「形式」をはずして、そこにむきだしのコミュニケーションを作ります。今回の3演目についても、意味や形式ではなく、こちらの感情にじかに触れてくるようなところがありました。危うさ、悲しみ、喜び、怒り、情熱といった感情が、言葉を介することなく直接刺激されるのは、日常生活ではあまりない経験です。いや、本当は日常生活でもそういうことは起こっているはずですが、私たちはそれを隠蔽して生活しています。そこの部分に触れられるのは怖いことでもあり、同時に癒しでもあります。そして心身の活性化をうながされます。
 お客さんはなぜか家族連れが多く、どう見てもコンテンポラリー・ダンスのオーディエンス層とはかなりずれている感じがしたんですが、最後には大拍手でした。