ここ数年、正月に21世紀美術館、通称「まるび」に行くのが通例となっています。
今年も行ってきました。
正月のまるびは親子連れが多く、子どもたちが元気でにぎやかです。若いカップルや年輩の方も多くて、とてもここが現代美術館とは思えないほどです。これほどファミリーでにぎわう現代美術館が日本のどこにあるでしょうか。奇跡のような成功例だと思います。
さて、目当てのモニーク・フリードマン展。作品点数は多くありません。が、大作や新作があって、見応えがあります。2.5メートル角の巨大なキャンバスに均一に色を塗りつけ、それにパステルで断片的な曲線を描きちりばめた作品。着色した布を一面に吊るしたインスタレーションのような作品。和紙を壁一面に貼りつけ、空気の動きによって揺れ動くようにした作品。
作品に意味はありません。なにか具体的なものが描かれているわけではありません。が、これぞコンテンポラリー・アート鑑賞という、深い体験をすることができます。
色面はただ均質に塗られているわけではなく、そこには作家の手の動きと存在が感じられます。ランダムに描かれたパステルの曲線の動きは生命体そのものので、作家の存在と命を感じます。と同時に、それを見る私の感情と命が感じられます。
抽象的で、しかし哲学的に陥らず、女性らしい柔らかな命の光にあふれたすばらしい作品群でした。
私がやっている現代朗読でも、このような質感の朗読パフォーマンスの実現を試みてみたくなりました。
(昨日upした内容で個人的感想とはいえ、一部行きすぎた表現がありました。不快に思われた方に謹んでお詫びいたします)