2012年1月10日火曜日

イヤホン・ヘッドホン選びはむずかしい

Apple製品はすばらしいと思うけれど、音楽を聴くための機械でもあるはずのiPodやiPhoneに付属のイヤーヘッドホンは音が陳腐すぎてお話になりません。私は付属のものは使わず、少しお金を払って、ましなイヤーヘッドホンを使うようにしています。
 といっても、最近は驚くほど多くの種類のイヤーヘッドホンが出ています。量販店でもその売場面積は拡大する一方です。どれを選んでいいのか迷うんじゃないでしょうか。
 私は仕事柄、多くのヘッドホンやイヤホンを使ってきました。その経験から、メーカーによって多少の個性の偏りがあるような印象を得ています。もちろんメーカーごとにも価格帯が大きく違ったり、製品コンセプトが違ったりするので一概にはいえませんが。
 以前、声の仕事の人が使うためのヘッドホンについて書いた記事があるので、興味がある方はご参考までにこちらをどうぞ。

 今日は、たまたまいま手元にあるイヤーヘッドホンの聴き比べをしてみようと思います。
 まずは私がこのところずっと愛用しているゼンハイザーというメーカーの「CX300II」という機種。3,000円代で買えます。インナーイヤー式で、ノイズキャンセリングなどはありません。
 これは安いくせに全音域についてバランスがよく、特性はフラットに近いようです。そして音像がくっきりしているので、軽くコンプがかかっているみたいに小さな音もくっきりと聴こえます。高音域も低音域も必要以上にブーストしていないところが好きです。
 人の声や自然音などはこの点がいいんです。

ソニーの同価格帯の「EX300SL」という機種。
 ソニーは私もかつて大変愛用してました。ポップスやジャズ、ロック、フュージョンなど、クラシック以外の音楽全般にオールマイティで、バランスがいいといえます。とくに低音域の迫力と、高音域の抜けの良さはかなり気持ちいいです。もっとも、音量が足りないとシャリシャリしてチープな感じになってしまいます。ある程度音量をあげて聴く音楽に適しているといえるかもしれません。

 もう一個、ソニーが出てきました。これはどうやら、MDウォークマンについていたやつのようです。
 EX300SLと似た感じです。ただしこちらのほうが全体的に薄っぺらく、硬い印象があります。でもけっこうな音質です。

 iPhone付属のもの。実は以前、iPhone付属のものと、iPod nano だっけな、付属のもの同士を比べてみたことがあります。おなじメーカーなのに、明らかに種類の違うものでした。iPhoneのほうがクオリティが高く、iPodはちゃちだったんです。
 今回はiPhone付属のもの。全然使ってないので新品同様です。
 で、あれ? 以外にましな音じゃん。以前、聴き比べて、音質が悪いと思った印象が、さらに自分のなかで悪評価として定着しちゃってたみたいです。でも、案外聴ける音。
 とはいえ、ゼンハイザーやソニーに比べるとちょっと落ちます。深みのない音で、音像もやや曖昧な感じ。こういうイヤホンはどうしてもボリュームを稼いで聴きたくなりますが、難聴になるのが怖いので私はあまり大きな音で聴かないようにしています。

 ついでにもう一個。ローランド。これはバイノーラル・マイクロホン・ヘッドホン「CS-10EM」というもので、ヘッドホンであると同時にマイクでもあるという代物です。耳のところにマイクが付いているわけで、自分が聴いているとおりの音や位相で録音できるというおもしろいものです。
 このイヤホンのみを聴いてみました。
 だめですね、やはり(笑)。かなりいい加減な音です。まあ、録音するためのものですからね。

 以上の比較は、安いイヤーヘッドホンでしかおこなっていませんので、高価格帯のものやノイズキャンセリング機能がついているものについてはどんな音なのか責任は持てません。
 あと気になるメーカーとして、音響専門メーカーのAKG、フィリップス、日本のオーディオテクニカ、そしてもちろんBOSEなどがありますが、これらはまだ試す機会がありません。以前、パナソニックが意外によかった記憶があります。いまは使ってませんが。