2012年1月13日金曜日

パフォーマーにとってのライブとコンテンツ制作

音楽でも朗読でもそうですが、パフォーミングアートには「ライブ」という形式と「コンテンツ」つまりCDやダウンロードデータという形式があります。
 ライブは観客の前でおなじ時間と空間を共有しておこなうもの。コンテンツはパフォーマーが都合のいい時間と場所を使って作りこみ、オーディエンスもそれを自分の都合のいい時間と場所で楽しむ、ということになります。
 私はこの両方ともやるし、だれかにやってもらうこと(プロデュース)もしています。
 その過程でかねてから感じていたことがあります。それは、自分の「常態」をライブに置いているパフォーマーは、コンテンツ制作においてもとても魅力的なのに対し、常態をコンテンツ制作に置いているパフォーマーはライブではまったく使いものにならないことが多い、ということです。
 ライブでは多くの人と生身で関わります。当然ながら予測のつかないことがいろいろと起こります。なかには不愉快だったり、身の危険を感じるようなことも起こることがあります。なので、ライブを嫌い、コンテンツ制作だけに引きこもる人の気持ちがわからないではありません。しかし、人間は時間のなかを生き、他人とコミュニケーションを取りながら変化していく生き物なので、ライブこそパフォーマーのもっともイキイキする場なのではないかと思います。
 今年もそういうパフォーマーたちとおもしろいことをたくさんやっていきたいものです。