昨日の夜は音読療法士マスターコースだった。
なんとなく年末から年明けにかけて中だるみ感があったので、「音読療法とはなにか」という基本の確認をする。これは、療法士がだれかから「音読療法ってなんですか?」と聞かれたときに明確に答えることができるためにどうしても必要なことだからだ。
そのために準備したドキュメントの一部。
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音読療法は音楽療法や箱庭療法、アートセラピー、漢方医学、アーユルヴェーダ、カイロプラクティック、その他さまざまな代替医療(alternative medicine)のひとつである。これを補完医療(complementary medicine)、または補完代替医療(Complementary and Alternative Medicine : CAM)ともいう。
古くから伝統医学、民間療法としていろいろなものが存在するが、近年は音楽や絵画表現、森林浴、瞑想などを用いた補完代替医療(CAM)が多く生まれている。
音読療法はクライアント自身の呼吸と声を用いることに最大の特徴がある。そのため、いつでも、どこでも、なにも道具を使わなくてもおこなえる、という利点がある。もちろん療法士が方法を指導することでより効果を高めることができるが、ひとりでもおこなえるところに手軽さがある。
音読療法では、ヨガ、禅、古武術、合気などのさまざまな呼吸法を取りいれ、現代人が手軽に、しかも効果的におこなえる方法としてそれを整備している。発声や音読も、この呼吸法の延長線上でおこなわれる。呼吸と自声に意識を向けていくことで、容易にマインドフルネスの状態にいたり、自分自身のことについての多くの気づきを得ると同時に、自分を苦しめる思考やイメージの反芻パターンから離れることができる。
音読療法の最大の特徴は文章の音読によって自己セラピー効果を得ることにある。この場合の文章は文学作品であることが多いが、必ずしも決められた作品でなくてもかまわない。自分が考えたり書いたりしたものではなく、他人が書いた文章を使う、というところが重要である。そのメカニズムについてはあらためて詳しく述べるが、自身の外部から挿入された言葉やイメージを音読によって繰り返すことで、自己内部の雑念や特定の感情をそれに置き換え、手放すことができる。結果的に深い瞑想と同等の効果を得ることができる。
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後半はクライアントとの共感的コミュニケーション、共感的に話を聞く方法の、基礎的なツールを用いての練習。
今日は朝から現代朗読ゼミ。
朝ゼミでは、ゼミ生の現代朗読パフォーマーとしての音声&身体処理能力を高めてもらうためのエチュードをいくつか試行し、くりかえしてもらう。
現代朗読の最大の特徴としては、「なにも作りこまない」「あらかじめたくらまない」「マインドフルに反応する表現」というものがある。それを高度におこなうためには、どうしても身体にたいする高い感受性と反応能力が必要になるのだ。さまざまなエチュードはそのための訓練としてある。
エチュードを繰り返すにつれ、みんながどんどん能力が高まっていく(実際には潜在能力を引きだされる)のが目に見えてわかってスリリングだ。
午後は昼ゼミ。
明日の〈Com.Cafe 音倉〉のオープンマイクで披露する演目「悶々貨幣」の打ち合わせなど。太宰治の「悶々日記」と「貨幣」を組み合わせたテキストで、みぞれちゃん、ピリカさん、野々宮と演出の打ち合わせ。
夜は夜ゼミ。Google+のhangoutでたるとさんと朱鷺さんも参加。思いがけずふなっちが来て、なおさんも遅れて参加。
たるとさんからは先日のチャレンジ徳島のイベントの様子を聞かせてもらったほか、太宰の「雪の夜の話」も読んでもらった。あとは昼ゼミで録画した「悶々貨幣」を見ながら、明日出演するなおさんに演出指示を少し。