あらためてレポートを出すが、簡単な感想を書いておく。
ライブや公演が終わると、こういうことをやっている人ならだれもが経験のあることだと思うけれど、さまざまなリアクションがある。
観終わったあとのアンケートに回答してくれた人たちもいれば、直接感想を聞かせてくれた人もいる。
メールをくれる人や、SNSやブログへのコメントをくれる人もいる。
直接ではなく、間接的に出演者へ伝えてきて、それが私の耳にはいることもある。
現代朗読の公演では、毎回、賛否両論がある。
それは私にとってうれしいことだ。
なぜなら、観に来てくれる人たちにはさまざまな価値観や大切にしていることがあり、それが私たちの価値観とかならずしも一致するとはかぎらないし、むしろ一致しないことがあたりまえだ。
その上で「楽しませてもらった」といってくれる人はありがたいし、「こんなのお金払って観にくるようなものじゃない」と怒りをあらわにする人もいて、それはそれでひとつのメッセージだと受けとることにしている。
反応も沈着冷静なものから、激情型のものまで、いろいろある。
私たちがやっているのは、既成の(外側からあたえられた)価値観を慎重に解体し、自分たちの内側から出てくる創造的な表現欲求を丁寧に扱って、なにかの枠組みにとらわれない表現の場を作ることだ。
当然のことながら、既成の枠組みのなかにある表現を期待してくる人には期待はずれだろう。
このようなあたらしいものを受けいれるには観る側にも開かれた感受性が必要なことは、容易に想像できる。
そしてそんな人ばかりが観に来てくれるわけではないことも。
ともあれ、賛否両論が噴出したというのは、私にとってお祝いしたいことなのだ。
ああ、この方向性でいいのだな、と確認できる。
賛否両論が出てこなくなったとき、たぶんそこには創造性は失われてしまったんだろうし、そういう場所には私は行きたくない。