音楽において即興演奏のニーズが高まってきているように感じる。
そして私がこれまでつちかってきて、現在おこなっている即興演奏は、音楽演奏のジャンルでもかなりめずらしく、やれる人がそうたくさんはいないことがわかってきた。
11月からスタートする「介護予防アーティスト講座」では、いよいよ正式に「即興演奏法」を教えることになった。
この講座は音楽療法、音読療法、運動指導法などを組み合わせ、音楽やダンサーなどの若手アーティストに技術習得をしてもらって、介護予防という仕事についてもらうための資格を付与するためのものだ。
職業創出という側面がある。
そのなかで、「即興演奏法」を教えることの意義は私にとって大きい。
これまで自分ひとりの内部技術としてやってきたものを、ある程度普遍化して人に伝え、だれにでもできるように体系化するわけだ。
できるだろうかという不安もあるが、やりたいという意欲のほうが強い。
かつて私は音楽レッスンをやっていて、生徒も取っていたのだが、このところそれを積極的にはやっていなかった。
かつて音楽レッスンをやっていたとき、豪徳寺の地下スタジオに活動拠点があって、アコースティックのグランドピアノをいつでも使える環境にあったのだが、現在はそこを手放し、楽器もデジタルピアノだけという環境に移ったことがある。
しかし、なぜかサイトの古いページに音楽教室の案内が残っていたらしく、最近、レッスンを受けたいという人から連絡があった。
最初はどうしようかちょっと迷ったのだが、すぐに介護予防アーティストのことが思い浮かんだ。
また、ゼミ生の佐藤くんがこの講座を受けてみたいということで、受講要件である課題曲4曲の「伴奏ができること」のためにピアノをちょっと教えはじめていた、ということもある。
レッスンを受けたいという人のニーズを訊いてみたところ、まさに即興演奏やアレンジを学びたいということだったので、私は受けることにした。
なぜなら、自分のなかでなにかを普遍化し体系化するには、人に教えることがもっとも近道だからだ。
そのことを私はこれまでさんざん経験してきている。
音楽もそうだが、朗読も音読療法もそのようにして私のなかで普遍化作業をおこない、整理して体系化を進めてきたものだ。
今回の即興演奏法もレッスン生を取ることで、というよりセッスン生といっしょに体系化をすすめ、だれにでも利用できるものにしたいと思っている。
そんなわけで、即興演奏を学びたいという人はもう少し受け付けるので、連絡くださいね。
ただし、即興演奏といっても、一般的にすぐに思いうかべるジャズの即興ではない。ジャズ理論はもちろん学んでいただくが、それは一部でしかない。クラシック、ポッブス、民族音楽、現代音楽、あらゆるジャンルの音楽について即興演奏の対象とするのが私の即興演奏法である。