2月20日夜は、明大前ブックカフェ〈槐多〉にて、二回めとなる朗読会「槐多朗読」を行なう。
昨年11月に初回を開催したのだが、幸い好評で、その場ですぐ二回めが決まったのだ。
村山槐多は1919年に22歳の若さで亡くなった画家だが、詩文も数多く残している。若く稚拙なものも多いが、文間からは才気と情熱がほとばしり、朗読作品として魅力がある。
ところで私たちが現代朗読として村山槐多を取りあげるときに行なおうとしているのは、村山槐多という人の「意を汲む」ことではなく、彼の残したテキストという実体のあるものを通して、彼とともにあり、しかしあくまでも私たちが主体となってオーディエンスと「いまここ」にある表現とコミュニケーションであらたな作品を表出させたい、ということだ。
槐多ファンの方にはそのあたりが不満かもしれない。しかし私たちはそのやり方で槐多という人を尊重しながら自分たちの表現を作ろうと試みる。
次回20日の会がどうなるかはだれも予測できないことだし、私たちもあらかじめなにかを企んでおくようなことはしたくない。来てくれた人となにかを共有し共感してもらえればこんなに幸せなことはない。朗読の最後におとずれる「沈黙」の豊穣ならんことを祈る。