「アンチエイジング」とか「老化防止」とか「若返り」といったキーワードが魅力的らしく、そういったことに関連したイベントや食料品、本などが大はやりだ。
たしかに私も年齢を重ねてくると、しだいに体力が落ち、若いころにはできたことがだんだんできなくなってきたり、肉がたるんできたり、老眼になったり、白髪が増えたりすると、老化の進行を食い止めたい欲求が出てくる。そしてアンチエイジングにいいとされるものがもてはやされているのを見ると、つい気になってしまう。
しかし、最近はすこし考え方を変えようと思いはじめた。
年をとるのは悪いことばかりじゃない。悪いのは年をとることではなく、悪く年をとることだ。
よい/悪いというのは人それぞれの価値観なのでまちまちだろうが、私にとって悪く年をとるというのは、醜い姿になることだ。欲望をにじませた醜い顔つきであり、執着を捨てられない行動であり、抑制のきかない身体である。これらを律して、できるだけ(私の価値観で)美しく年齢を重ねていきたい、というのが望みだ。
年をとることに抵抗するのではなく、その年齢を受け入れ、寄り添い、より美しくあろうとする生き方ができないものか、と思っている。