今回の発表のもうひとつの目玉は「iCloud」である。
いわゆるクラウドサービスだが、アップルが発表したiCloudはひと味違っていた。
私のようにMacを2台使ったり、場合によってはWindowsマシンを使ったり、そしてiPhoneともデータを同期したい、というような使い方をしている者は、通常、メインマシンを一台決めて、そこにすべての元データを集中しておく。ほかの端末へはそのつど、必要なデータをコピーしたり、同期させて使う、という方法だ。
ところが、iCloudでは、クラウドをメインマシンのようにする考え方だ。
すべての端末は、いつもクラウドから必要なデータを取りだすことができる。MacもWindowsもiPhoneも関係なく、それぞれの端末でおなじデータをいつでもどこでも使うことができる。
しかもiPhoneにあるコンテンツは自動でiCloudへプッシュ同期される。
これまでのように、新しいマシンを使いはじめるときに、連絡先やらメールやらスケジュールやらのデータを同期する必要がない。もっとも、これはGmailを使っている人はすでに体験ずみかもしれないが。
Gmailと同様、iCloudも無料。
データにまったく制限がないわけではない。
保存される写真は1000枚まで、30日まで。データの保存容量は5GBまで。ただし、写真やiTunes Storeで購入した音楽は除く。
iTunes Match という機能がおもしろい。
iTunes Store にはすでに1800万曲もクラウド化されているといわれているが、自分が買った曲やCDから取りこんだ曲は自動的に iTunes Store とマッチングされる。つまり、クラウドにアップロードする必要はない。そして、iTunes Store で買った曲は自動で256Kbpsにアップグレードされる。
ただし、こちらは有料サービス。年間約25ドル。日本ではどうなるか未定。
iCloudのために、アップルは巨大なデータセンターを建設したのだ。