2011年6月17日金曜日

朗読者がひと皮むける瞬間はこの上ない快感

今日は夜ゼミだった。
最初は音読ケアがきっかけで羽根木の家に来たMさんが、今日はびっくりするような読みを聴かせてくれた。
Mさんは不安神経症や不眠の問題を抱えていて、最初は音読ケアを受けるために来た。個人セッションで呼吸と発声、音読エチュードをやり、そのあとも何度かゼミに出た。同時にオーディオブックリーダー養成講座にも参加して、オーディオブック収録のための練習もしている。
彼女にやってもらっているのは、一貫して呼吸と音読を使った「マインドフルネス」の練習。
今日は最初のチェックインで、マインドフルネスについてとても進歩した状況があったことを教えてくれた。
そのあとで、収録のための課題テキストを読んでもらった。
びっくりした。
声がまったく違う。彼女本来が持っている深くて柔らかい響きが出てきて、こちらの身体に染みこんでくるようだ。あまりにびっくりし、ゾクゾクしてしまったものだから、途中でいったん読むのを中断してもらったほどだ。
気持ちを落ち着かせて、つづきを読んでもらった。
声が変わったのは、呼吸と身体の使い方が変わったせいだ。おそらくマインドフルネスの練習が呼吸と身体を変え、それが声の変化となって現れたのだろう。これほど劇的な変化を目の当たりにしたのはそう何度もないことだったので、感動してしまった。

ほかにも、別の参加者のKさんは、朗読の際にガチガチに固まった身体性だったのが、かなり柔らかく身体を使えるようになってきていた。
肩こりがとてもひどいらしいのだが、なぜか身体を使えるようになって肩こりが楽になったのだという。もっともっと柔らかく身体を使えるようになるはずだ。そうすれば肩こりもさらに改善されるかもしれない。

今夜は、朗読の際に身体の表と裏ができてしまうことに意識して改善するエチュード、自分勝手な読み癖を改善するエチュード、こう読んでしまう/こう読まねばならないという思いこみを解消するエチュードなど、いろいろと充実したゼミだった。私にもとても学びの多い時間だった。
参加者の皆さん、ありがとう。

明日は午後2時からライブワークショップ。
夜7時半からは、徳久ウイリアム氏による口琴ワークショップ。