2011年6月4日土曜日

音読ケアは医療行為や診断はしない

個人セッションによる音読ケアをおこなっているが、あくまで心身のケアワークであり、療法ではないし、ヒーリングでもない。
ただ、ある一定の改善効果があることは、経験的に私も受講者も確認している。軽度の鬱、不安神経症、適応障害などをお持ちの方が来られているし、もちろんとくにそういう症例ではなくてもこの災害時に心身の不調を感じている方は多い。そういう方にも有効であることが多い。
どんなことをしているのか、簡単ではあるが書いておきたい。

心身の不調に陥っている人は、ある悪いイメージのスパイラルに陥っていることが多い。
「いまここ」にある自分の身体から離れて、過去に起こったなにかショッキングなことやつらいこと、悲しいことなどにとらわれ、いつまでもグルグルとそのことを反芻してしまう人。あるいは逆に、まだ起こってもいないことを、起こるのではない、起こったらどうしようと、悪いことばかり考えて不安を増長してしまう人。
こういったスパイラルを断ち切る方法としてとても有効なことのひとつに、声を使ったマインドフルネスのエチュードだ。
マインドフルネスとは、自分がまさに「いまここ」にあり、自分自身と自分を取り巻く環境に意識を向けることだ。一種の瞑想といってもいい。
ただし、座禅などの瞑想は、経験のない人がいきなりやってもなかなか効果を得ることは難しいが、声を使ったエチュードはだれでもすぐに実行できる。なにしろ、声は毎日出しているし、言葉も使いなれたものだからだ。

エチュードを実行すると、過去に起こったことは「いまここ」では起きていないことだし、まだ起こってもいないことも「いまここ」にはないことを実感できる。悪いイメージはたんなるイメージであり、実体でないこと、そして実体は「いまここ」にある自分自身の声であり、身体であることを実感してもらうことで、悪いイメージのスパイラルを断ち切ってもらう。
方法としては、呼吸から始まって、発声、音読をしてもらうことで、呼吸や声が自分の身体の「運動」から出てくるものであり、それらは密接につながっていることをしっかりと確認してもらう。
このエチュードのあいだは、どんな人も、過去のことも未来のことも考えることはない。ただひたすら「いまここ」の自分の身体に焦点をあててもらう。

家に帰ればまた悪いイメージにとらわれ、ふたたび不調に陥るかもしれないが、そのときはまたエチュードのことを思い出して、実行してもらえばいい。
そうやって、悪いイメージのスパイラルをことあるごとにみずから断ち切っていくことで、やがて自分で不調から脱することができるようになる。
エチュードは単純明快なもので、だれでも自分でやることができる。初回だけ私といっしょにやり、コツを覚えていただく必要があるが、そのあとは自分でできるし、もしひとりでやることに不安が出てきたら、またおいでいただければいい。

興味のある方は気楽にお問い合わせください。
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