昼すぎからオーディオブックリーダー養成講座の個人セッション。
今日来られた方はプロの声優とかナレーターではなく、それをめざして勉強中の方だったが、そのためにじつにさまざまな養成所や講座、個人レッスンを受けてこられたとのことだった。
個人セッションを受けに来る方にそういう人が多いが、アイ文庫では「表現作品としてのオーディオブック」の製作をおこなっている。
一方、養成所や講座などでおこなっているのは、「放送技術」としての日本語伝達技術がほとんどを占めている。
これが「表現」をいちじるしくさまたげるのだ。
技術はもちろん大切なのだが、技術偏重は個性=表現者のオリジナリティを大きく損なう。
その人がその人であるゆえんを見つづけ、オリジナリティを確固たるものにする身体性や絶え間ない自身の変化にいかに注目していけるか。
そのことをアイ文庫ではオーディオブックリーダーにお願いしている。
今日の方はその考え方を理解し、共感してくれたように思えた。
今後1か月くらい、現代朗読のゼミ生扱いとして朗読表現を学んでいただく過程で、どれだけ唯一無二の表現者としての道筋を確保していってもらえるか。
私も手抜きすることなく、全力で付き合っていくつもりだ。
私のおこなっている個人セッションに興味のある方は、こちらをご覧ください。
夜は中野まで行き、韓氏意拳の稽古。
下北沢から渋谷、新宿を経由して、中野へ。
たいした移動ではないが、夕方の退勤時間帯は人の流れがものすごく、かなり緊張する。
今日はいつもの形体訓練からスタートして、摩擦歩と技撃椿の一部を稽古した。
摩擦歩も技撃椿も私は初めてだった。
動作は違っていても、内容はおなじで、運動の条件が満ちる「状態」にはいっているか、身体がまとまる方向に向かっているか、全身が運動の状態に指先から足の裏まで通っているか、など、精査しながら稽古した。
ひとりで稽古していてもわからないことが、先生に軽く手をそえてもらうだけで自分がそれらの状態ができている、できていないというのがたちどころに明確化する。
私は音楽にしても小説にしても、ずっと独学でやってきたが、独学では進めないこともあるのだということを、いま実感している。
そして自分を導いてくれる人がいるということがどれだけありがたいことか、生まれて初めてといっていいほどいまさら実感している。
私がことあるごとに韓氏意拳のおもしろさをみんなに話しているので、羽根木の家で体験会をやれたらいいのではという流れになり、内田秀樹先生にお願いしてみたら、こころよく引きうけてくれた。
11月と12月に私の知り合いを中心に羽根木の家での体験講習会を開催してもらえることになった。
体験だけでなく、本格的な支部講習会が羽根木でできるようにしたいというのが、もっかの私の野望だ(笑)。