テキスト表現ゼミ(次世代作家養成塾)は月に3回開催していて、1回は羽根木の家に集まってもらっての「リアルゼミ」なのだが、あと2回はGoogle+のハングアウト(ビデオチャット機能)を利用してのオンラインゼミとなっている。
今夜は参加者が奥田くんひとりだった。
通常なら最低催行人数3名に達しないゼミは休講となるのだが、開催した。
というのも、前回、奥田くんが長編エンタテインメント小説の一部と思われる断片を提出してきて、それがなかなかのすぐれものだったので、いよいよ長編に挑戦してもらうことになったからだ。
今夜はそのとっかかりを確認する大事なチャンスだった。
長編小説に挑戦してもらうにあたって、私は条件を出した。
毎日、かならず書くこと。
分量は500字でよい。
一日も欠かさず書きつづけること。
このペースで書きつづけれられれば、半年で長編小説がひとつ書きあげられる。
とりあえず、そのクオリティは問わない。
基礎体力をつけるための条件だ。
しかし、ひょっとしてうまくすればクオリティもついてくるかもしれない。
自慢しているように聞かれたくないのだが、私は最初に書きあげた長編小説がデビュー作となった。
とにかくどのようなものでも、書きあげなければ形にはならない。
書きつづければ、そして書きあげてみれば、さまざまなことがわかる。
今日、奥田くんとオンラインで彼の書いたものを読んで聴かせてもらい(自分が書いたものを声に出して読みあげるのはとても大事)、いくつか欠点について指摘することはしたが、いま彼が書きはじめているものがとてもおもしろい世界観を持っているもので、オリジナリティに満ちたものであることを確認できた。
今日はまだ断片だったが、これが縫いあわされていってどのような世界を見せてくれるのか、とても楽しみだ。
おなじテキスト表現ゼミ生の荒川あい子さんの短編集『変身』が無事リリースされたこともあって、今日は祝福できる日として幸福を感じている。
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