ジョンは前日の8日午後に日本に到着し、そのまま羽根木の家に来て、招聘メンバーによる歓迎会に出てくれた。
料理はマリコが用意してくれた。
ジョンの今回の主目的は韓国での6日間にわたる調停のリトリートで、これはすでにもう何回もおこなわれているらしい。
その途中で日本に立ち寄ることが可能ということで、きくちゆみさんのはからいで一日だけやってくれることになったのだ。
ジョンは6日と7日とも羽根木の家に宿泊して、7日にワークショップを主催。
通訳は安納献くん(いつも彼がいてくれるので心強い)。
7日は午前10時から16時まで、NVCをある程度理解している経験者向けのワークショップ。
調停という、経験を要する、しかしNVCの手法としてとてもパワフルなスキルについて、デモンストレーションを交えながら教えてもらった。
ランチタイムはマリコが作った優しい味の野菜カレー。
16時に終わってからも質問などが相次ぎ、結局17時くらいまでやっていた。
夜は19時から21時半までの、初心者向けのワークショップ。
こちらはさすがに時間がみじかく、調停の手法の全貌を学ぶというわけにはいかなかったが、それでもNVCの可能性を体感することはできたと思う。
翌8日はジョンが韓国に発つ日。
午前中は羽根木の家でくつろいでもらい、和風の朝食をいっしょに食べたりしたあと、お昼ごろにふたりで渋谷に向かう。
渋谷の街をすこし歩いて案内したあと、ラーメンが気にいっているというジョンのために〈桂花〉に連れていく。
そこでいくらか話ができた。
ジョンに聞かれたのは、原発事故のこと、地震と津波のその後のこと、そして日本、韓国、中国の関係がいまどうなっているのか、ということ。
〈桂花〉のあとは、渋谷駅で切符を買い、湘南新宿ラインのホームまで連れていって、成田エクスプレスに送りこんで別れた。
別れぎわにかたい握手とハグ(笑)。
深くて濃い学びの数日をもたらしてくれたジョンに感謝。
NVCのトレーナーが来ると、最後は羽根木の家から出発することが多く、いつも別れのときにはちょっと切ない気分になる。