その結果として、オリジナリティの高い、ユニークな読み手が多く誕生していく。
ライブ表現のみならず、スタジオワークであるオーディオブックの収録においても、すばらしい作品を残せる者が何人も育っている。
ただし、オーディオブックには「商業コンテンツ」という側面もあり、まったく自由に表現してもいいというわけではない。
録音され、何度も聞き返され、対価を支払われてリスナーのいわば所有作品となるわけだ。
必要なことがいくつかある。
そこの部分については、「表現」とは切りはなされて「評価」の対象となる。
オーディオブック・リーダーと充分に共感的関係にあり、双方に信頼があるという関係性が成立しているという条件のもと、収録コンテンツとしての「評価」がおこなわれる。
つまり、これだけのことをクリアしていないと収録はできませんよ、という評価ラインがあるということだ。
では、どのような点に関して評価があるのか、紹介してみる。
(1) ノイズ
(2) 滑舌
(3) アクセント
(4) その他日本語発音規則
(5) 耐久力
(6) 表現力
(1)から(5)については、評価を明確に数値化することができる。
私がもちいているのは、現在「1」から「5」までの5段階評価で、製品としてのオーディオブックの収録のためには最低「3」評価以上をすべてクリアしている必要がある。
というと大変なことのように思うかもしれないが、これらはすべて「技術」にかんすることであり、どんな人でも(たとえそれがズブの素人であっても)適切な指導と持続的な訓練があればクリアすることができる。
アイ文庫および現代朗読協会では、この点にかんしてのノウハウをどこよりも明確に、かつ綿密におこなうための蓄積がある。
しかも短期間に。
声優学校や養成所は多大な年月(と費用)をかけて訓練をおこなうが、アイ文庫ではそんなに時間をかけていられないし(すぐに即戦力がほしいから)、読み手をめざす人のお金も節約してもらいたいから、数か月ですべてを身につけてもらうプログラムを実施している。
もっとも、私のところに来て、ただいうことを聞いてそのときだけ練習しても、評価があがることはない。
自分で毎日トレーニングし、努力をおこたらないことが要件となる。
そのためのノウハウはすべて、一切もったいつけずに提供する。
さて、問題は(6)だ。
これについてはこれまでさんざん書いてきたことではあるが、オーディオブックにおいて表現力の問題をどうかんがえているかについてはきちんと書き残していないような気がするので、項をあらためて書くことにする。
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