2011年8月9日火曜日

一宮「稲葉佳子展」の朗読イベントを観に行く

一昨日7日(日)は愛知県一宮市まで行ってきた。
一宮市三岸節子記念美術館でファイバーアーティストの稲葉佳子展が開催されているのだが、その作品空間で朗読パフォーマンスがおこなわれた。朗読はバラさんこと榊原忠美と清水陸子。
私はこのパフォーマンスのために「繭世界」というオリジナルテキストを提供していて、それで招いていただいた。

午後の新幹線で名古屋へ。名古屋駅までバラさんが車で迎えに来てくれた。
一宮市へ。
三岸節子記念美術館は想像を超えて大変立派な美術館で驚いた。そして稲葉佳子さんの絹糸と繭を使ったインスタレーションもすばらしい。とても気持ちのいい作品で、空調のわずかな空気の動きで柔らかく動いているのがおもしろい。一種のモビルアートだ。

バラさんたちがリハーサルをしている間、私はそのへんをブラブラ。岐阜の高橋かずえさんや、クセックの樋口と柴田も来た。
稲葉さんともゆっくり話ができて、作品制作の裏話など、興味深い話をたくさん聞いた。
午後5時に美術館自体は閉館。朗読イベントのためのお客さんが続々とやってきた。席は80席くらい用意してあるだろうか。満席だ。

午後5時半、時間どおり始まった。私は取っておいてもらった席に座った。稲葉佳子さんの隣。
最初は清水さんによる宮澤賢治の「双子の星」の「一」。これはちょうど現代朗読協会でもライブワークショップで取りあげている作品で、興味深く聴かせてもらった。円形のインスタレーションのなかを立ったまま、ゆっくりと移動しながら読んでいた。
次はバラさんによる「返されなかった青春」。移動したり、持ってきた椅子に座ったり、立ったり。役者朗読である。かなり切りこんだ表現で、もう少しでキレそうなギリギリのところでやっている。お客さんには相当、グッサリ来たのではないだろうか。初老の女性がもっとも多い。
最後は私の「繭世界」をふたりで読む。交互に読んだり、重なったり、動いたり。バラさんがうまく演出をつけてくれていた。作品とあいまって、非常に不思議な空間がそこに生まれた。私は楽しかったが、お客さんはどうだったのだろうか。
終わってから、私も紹介されて、ひとことご挨拶した。たくさんの拍手をいただいて、皆さんにも楽しんでいただけたのだなと思った。

全部終わってから、稲葉さん、ご家族、友人、バラさん、樋口・柴田と、トンカツ屋に行って食事。私はビールを一杯だけいただく。ついでに、10月に〈あうん〉でやる「沈黙の朗読」をコーディネートしてくれている橋本さんと打ち合わせ。
新幹線の時間が迫ってきたので、またバラさんに送ってもらって、名古屋駅に。けっこうギリギリな時間で、ちょっとひやひやした。バラさん、お世話になりました。
楽しい一宮行きであった。