参加してみたいけど、まだよくわからないのでためらっている、という人がいるらしいので、もう少し詳しく説明してみましょう。
本当は一か月間の無料お試し期間があるので、どうしようか迷っている人はとりあえず一か月だけでも参加してみればいいと思うのですが、まあ、あらかじめわかっておきたいという人も多いようなので。
「次世代」と「作家」と「養成塾」というそれぞれの言葉について説明します。
文字通り、「次世代」の「作家」を「養成」する塾、ということになりますが、それぞれの定義をしておかなければなりません。
たとえば「作家」という言葉。ほとんどの人が漠然と「小説などの文章を書き、本を出版して生活している人」というふうに考えているのではないでしょうか。
これは作家の定義ではなく、たんなる外側から見た「形態」を表しているにすぎません。作家というのは「形態」ではなく「状態」なのです。しかも、外側から規定される状態ではなく、本人にしか規定できない状態なのです。
私たちは経済的な社会システムに首までどっぷりとつかって暮らしているため、ものごとを経済から切り離して考えることに極端に不自由になっています。「作家」にしても、それで「食えてるか食えてないか」ということばかり考えてしまいます。
しかし、それで食えていようが、食えていまいが、彼が書く文章のクオリティには関係ありません。
私はこの養成塾で「食える作家」を養成するのではなく、「すぐれた作家」を養成したいと思っています。それで食えるか食えないかは、その結果にすぎませんし、社会情勢、時代状況や、人脈、その他さまざまな運にも左右されるでしょう。外側の状況には規定されないといったのはこの意味で、まわりの状況がどうであれ、本人が「作家という状態」であれば、その人はだれがなんといおうと作家なのです。
では「作家という状態」とはどのような状態のことでしょうか。
私がかつてそうであった職業作家とは、「出版社や編集者から原稿の発注があって初めて書きはじめる人」です。注文もないのに、あるいは出版するあてもないのに、原稿を書いたりはしません。つまりカネにならない原稿は書かないのです。
しかし、その職業作家もかつてはそうであったに違いない「作家という状態」というのは、注文があろうがなかろうが、出版するあてがあろうがなかろうが、もっと極端にいえばだれかに読んでもらうあてがあってもなくても、とにかくなにかを書かずには生きていられない、という人のことです。
本当の作家は目がさめた瞬間からなにか書くことを考えています。なにをしていても書くことを考えています。人生の中心に書くことがあります。暇があればなにか書いています。それがお金になるかどうかとか、だれかが読んでくれるかどうかとか、関係ないのです。彼はただ、書きたいから書いているだけなのです。それが彼の表現であり、生き方なのです。
だから、社会的にそれで食えているかどうか、とか、著書があるかどうか、とか、作品が活字になったことがあるかどうか、とか、なにか賞をもらったことがあるかどうか、などということは、彼が作家であるかどうかとはまったく関係のないことなのです。たんなる外的評価にすぎません。
私はこの状態の、いってみれば純粋作家状態に「次世代」という名称を冠することにしました。
私たち表現する者は、いい加減、マネーシステムやマーケットから離脱したものの考え方をしなければなりません。
表現は本来、マネーシステムとは関係のないものであり、もちろんテキスト表現もそうです。私たちはお金のためにものを書くのではなく、自分と、それを読んでくれるかもしれない人のために書くのです。それが結果としてお金になったりならなかったりするのは、また別の話です。切り離して考えなければなりません。
この「次世代作家」をどうやって養成するのか。
ここからは養成塾の具体的な内容の話になるので、ひとことでは書けません。
ただ、これだけはいえると思います。
小説にせよエッセイにせよ、文章を書く人に書き方を教えるとき、これまであまりにその「身体性」や「感受性」のことがおろそかにされてきました。次世代作家養成塾にはこの部分にまずスポットをあてます。
表現は「技術」と「個性」の両方があって初めて成立します。そして「個性」はそれぞれの人固有の「身体性」と「感受性」によって生まれるのです。(「経験」という人もあるかもしれませんが、これは少し違います。説明すると長くなるので、いまははぶきます)。この部分に着目し、個性すなわちオリジナリティを磨く方法を身につけることで、ひとりひとりをまったく違うタイプの優れた書き手へと養成します。
これが「次世代作家養成塾」の目的です。
すべての人はひとりひとりが優れて個性的な表現者になりうる。それが私の信念です。
もうひとつ。蛇足ですが。
次世代作家養成塾の運営方針は「共感」と「ユーモア」です。いついかなる時でも、共感とユーモアを忘れずに運営していくつもりです。
ともあれ、とにかく楽しいのです。いっしょにやりましょう。
※「次世代作家養成塾」の詳細はこちらをご覧ください。一か月間の無料お試し期間があります。