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アイ文庫ではオーディオブックの読み手、すなわちオーディオブック・リーダーを育成している。
そのニーズは?
オーディオブックには本に書かれている情報を音声に変換して、聞く本として利用できるようにする、という目的がある。
それは情報伝達という目的だ。
しかし一方で、音楽がそうであるように、その演奏者(読み手)の表現作品としての側面もある。
音楽CDの多くがそうであるように。
アイ文庫では情報伝達としてのオーディオブックは作っていない。
結果的に情報伝達になることはあるが、目的ははっきりと、読み手の表現作品を作ることだ。
主役は読み手であり、テキストではない。
テキストを主役とするなら、活字の本をそのまま読むことにまさるものはないし、上手なナレーターやアナウンサーがそつなく読めばよい。
コンピューターによる合成音声だって速度も自在に変えられるし、正確だし、最近はサンプリング技術が進んできたので、自分の好きな声で読ませることもできる。
アイ文庫では生身の人間にしかできない、その人自身のオリジナリティを全面に押し出した「音声作品」を作ることを目的としている。
そのために、その観点に立脚した読み手の育成が欠かせないのだ。
マーケット的にはニーズは少ないかもしれない。
が、その人がそこにたしかに存在して自分を表現しており、こちら側もその人の存在を受け取って共感するという体験を、オーディオブックというコンテンツで提供したいのだ。
商品ではなく、知らない人同士であってもつながりを生む「作品」を作りたいのだ。
養成講座は丸一日だが、その後およそ一ヶ月後に収録オーディションがある。
一ヶ月間、課題テキストを読みこんでもらい、そして読み手に必要な身体と感受性作りをしてもらって、収録にのぞむ。
その間もしっかりとサポートする。
この講座には現代朗読協会も協力していて、一ヶ月間のサポートを表現ゼミでおこなっている。
こちらへの参加には追加料金など発生しない。
表現ゼミにはすでにオーディオブック・リーダーとして活躍しているゼミ生が何人も参加している。
ここにしっかりと参加できるかどうかが、受講者の「成長」の鍵となる。
次回の養成講座は7月31日開催。
詳細はこちら。