2019年3月20日水曜日

ベルリンの街をあちこち歩いてあちこち歩きたいわけじゃないことに気づく

変なタイトルになったが、今日はホテルのあるベルリン動物園駅から100番のバスでまずブランデンブルク門まで行った。
いきなり市街地の中心部に乗りこんだわけだが、そこからウンター・デン・リンデンという、まあ中央通りみたいな東西に走る大きな道を東のほうに歩いた。

巨大な門を背中に、道のまんなかには「リンデン」の名前どおり菩提樹の並木がつづいているけれど、いまは丸裸でまったく緑はなし。
観光客や学生の団体がたくさんいる。
日本人の老夫婦らしい人も見た。
ドイツに来て日本人観光客を見るのは初めてかもしれない。

あとで書くけど、現代美術館に入ったらどう見てもアジア人の監視員と目があって、向こうのほうから、
「アンニョンハセヨ」
と声をかけてきたので、
「こんにちは」
と返したら、納得したらしく、うなずき返してきた。

デン・リンデンをずっと行くと、フリードリヒ通りという南北の道と直行するが、その手前で1本南側のベーレン通りにコーミッシュ・オーパーというオペラハウスがある。
デン・リンデンよりこの通りのほうが文化的な感じがする。

デン・リンデンにもどると、フォルクスワーゲンとダイムラーベンツのショールームが通りをはさんで張り合ったりしている。

フンボルト大学があって、だれでも自由に出入りできるようになっている。
私はここでトイレを借りて、ちょっと休憩した。
反対側にはベルリン国立歌劇場、ならびにはドイツ歴史博物館、新博物館、旧博物館、ベルガモン博物館などひしめいているが、とてもじゃないが見きれるものではない。

このあたりは川の中州の島になっている。
そこにベルリン大聖堂も建っている。
近くまで行くとまあものすごい物量で圧倒される。

その向こうにはテレビ塔がそびえ建って、どこからでも見える。
ニコライ教会というふたつの尖塔がある古い教会がある。
このあたりはベルリンでももっと古い地区らしい。

テレビ塔の下にあるアレキサンダー広場駅でアイスクリームを食べ、その駅からトラムに乗って中央駅のほうにあるハンブルク駅現代美術館に行った。
ここがまあものすごい美術館で、あらためて書く。

疲れはてて、とぼとぼとベルリン中央駅まで歩き、Sバーンという鉄道で動物園駅まで戻って、ホテルにたどりついてお風呂にはいったところ。

長々と書いたが、今日は大きな気づきがあった。
というか、あたりまえのことで、なんでいまさらこんなことに気づくんだ、ばかじゃないの、と思ったいるわけだが。
ドイツに来て、シュトゥットガルトやらフライブルクやらベルリンやらに来ると、なんとなく観光案内を調べて、
「ここに行かなきゃ、こっちもまだ行ってない」
と観光客みたいな気分になってしまうんだけれど、私は観光をしたいわけじゃない、ということだ。
あちこち歩きまわりたくて来ているわけじゃない、ただここの空気と街に自分を置いてみて、その体験を観察してみたいだけなのだ。

そういう意味では、東京でコーヒーを一杯飲むこととなにも変わらない。
国立のモスバーガーで道行く人をながめながらコーヒー一杯飲んだ経験だって、もしそれをちゃんと観察できれば小説が1本書けるだろう。
そういうことをしたいだけなんだ。
ドイツではもうすでに人生にして何回分もの経験をしてしまった。
あとはここからなにをどう書きたいのか、どのような表現をしたいのか。

時間がいくらあっても足りない。