朗読が山田みぞれ、舞踏が亞弥、ピアノが私という三人のメンバーで、朗読テキストはすべて私が書いた女性視点もしくは女性が主人公の話。
会場の〈四軒茶屋〉はみぞれちゃんが見つけてきたハコで、今年になってから営業を始めたまだあたらしいライブハウスだ。
「彩り月の女」の開催が先に決まっていたのだが、じつはその前の9月15日にはすでにここで兼題朗読協会主催のオープンマイクイベントを開催させてもらっている。
だから、私は場所のなじみがあった。
亞弥さんはみぞれちゃんがほぼ毎週通っているワークショップの主催者で、げろきょのメンバーではほかにも菜穂子さんや美子さん(だっけな、あとてんちゃんも?)らもちょくちょく出ているらしいが、私は初対面だった。
初対面で、しかもリハーサルなしのぶっつけ本番。
まあ、ダンスや舞踏の人とは打ち合わせなしでやることが多く、とくに心配はしていなかったが。
来客は多くなく(店の方には申し訳なかったね)、げろきょメンバーがほとんど。
しかしそうでない方もいらして、開演前や途中でいくらか話をさせてもらった。
午後7時半、ファーストステージ、スタート。
私のピアノソロからはいって、亞弥さんの踊り、そしてみぞれちゃんが加わって演目スタート。
亞弥さんの希望でほとんどMCをいれることなく、どんどん演目をすすめていった。
セットリストを残しておこう。
1st Stage
1. 舞踏病の女
2. Dancin' On The Door
3. 即興(ダンス&ピアノ)
4. また君は恋に堕落している
5. 身体の中を蝶が飛ぶ
6. コップのなかのあなた
2nd Stage
1. 初霜
2. Solar(きのこバージョン)
3. Come Rain Or Come Shine
4. At the Platform 〜 彼は眠らない
亞弥さんはほとんど出ずっぱりで、踊ったり動かなかったり、客席のほうに行ったりと、即興的に動く。
そういえば、私は右足首を骨折していて、松葉杖をついて行った。
足を骨折していてもピアノ演奏には支障はない、と思っていたのだが、ふとピアノに座ってから気づいた。
ダンパーペダルが踏めない……
いや、左足がある。
しかし、私は右足でダンパーペダルを、左足でミュートペダルを踏むので、片足が使えないと困る。
そこで、最初はギプスで固めた右足で無理矢理ペダルを踏んでいたが、途中でめんどうになって左足でのダンパー操作だけに割り切ってわることにした。
そんな不自由があったせいか、あるいはそんなこととは関係なくなのか、いつも私の演奏を聴いてくれているゼミ生からは、
「なんかいつもとは演奏がちがった」
と、えらくおほめの言葉をいただいてうれしかった。
たしかに、この日というより、このところ、私自身、なにか自分の演奏(とくに即興)にかんしてちがうステージに進んだような感じを持っていたところだった。