2012年8月18日土曜日

映画「ドラゴン・タトゥーの女」

スウェーデンの作家、スティーグ・ラーソンの原作を映画化したもので、原作小説が英語に翻訳され、世界的ベストセラーになった。
その時点で読む気はまったく失せていたのだが、ネットに出ている映画評のいくつかが気になって、観てみようと思った。

一番気になった映画評の言葉は「世界観がすばらしい」というものだった。
映画のストーリーにはあまり関心がない。
しかし、「世界観」ということになると話がちがう。
つまりそれは映画の「感触」の話であり、商品よりもより表現に近い話になる。

監督はデヴィッド・フィンチャー。
「エイリアン3」「ファイト・クラブ」「パニック・ルーム」などを観ている。
このなかでは「ファイト・クラブ」がもっとも印象に残っている。

主役はダニエル・クレイグ。
タトゥーの女役はルーニー・マーラ。
この映画でアカデミー賞やゴールデングローブ賞にノミネートされた。

最初はふたつの一見関係のないエピソードが交互に語られ、しかしこれはどこかで交差するんだろうという予感を思わせる作りになっていて、実際にそのとおりなんだけど、緊迫感があって引きつけられる。
そしてやはりふたつのエピソードというか人物はひとつになり、一気に謎解きへと進んでいく。

本当はこのあたりからの後半が山場であるはずが、なぜかおもしろくなくなる。
結局はコンピューターを駆使したハッカーが問題解決をしちゃう話じゃないか、とか、エンディングはいくらなんでも都合がよすぎるんじゃないか、その割にはそのことを気にした脚本がアンハッピーエンドに無理やり持っていった感じがして、後味はよろしくない。

「世界観がすばらしい」という感想はどこから出てくるんだろう。
私にはよくわからなかった。
ただ、やたらと濡れ場が出てきたり、ハードなSMチックなシーンや残虐シーンはてんこ盛りで、そういうのが好みの人にはうれしいかもしれない。