2012年7月31日火曜日

げろきょ公演「キッズ・イン・ザ・ダーク」は予約を締め切ります

コンテンポラリー表現の世界で唯一、未開の地であるところの朗読表現に果敢に切りこんでいる現代朗読。
その最高峰のたった一回きりの公演が、四日後におこなわれる。

今回の公演はげろきょ始まって以来の最高難度のパフォーマンスとなっている。
つまり、遠慮なくお客さんに「現代朗読の到達点」を味わってもらいたいのだ。
もちろん、失敗したり、段取りが間違えることは、予定ずみ。

たぶん、なにか予測しないことが起こるだろう。
これまでもそうであったように。
そのことすら、現代朗読の特徴なのだ。
予定調和的なものが「ライブ」すなわち私たちが生きて存在していることであるはずはないのだ。

現代朗読においては、失敗を恐れない。
もし失敗しても心身が固まってフリーズしてしまわないように、そのつど柔軟に対応できるようにするために、朗読テキストはしっかりと読みこんでおく。
演出である私が出演者にお願いするのは、ただその一点のみだ。

もうひとつ、私がちょっとだけでしゃばっていることがある。
それは音楽をライブで担当するということだ。
私は公演当日、朗読はしないが、朗読者たちとともにステージに立っている。
演奏者という共演者として。
つまり、演出家が共演者としておなじステージに立っているということだ。

もし不慮の事態が起こったとき、私は演出家というステージを熟知している立場を利用して、音楽演奏で対応をする。
朗読も音楽も、おなじ音声表現であり、オーディエンスと共感の場を作る方法としては大変近い立場にある。
そして私は数えきれないほどのライブ経験を踏んできている人間だ。
なにか不測の事態が起こっても、かならず対応できる自信がある。
尊大ないいかたかもしれないが、そう思っているのだ。

出演者は安心感をもって、自分自身をのびのびと表現してほしい。
お客さんはなにが起こるかわからない奇跡の時空間を楽しんでほしい。
現代朗読は行き詰まっているコンテンポラリー表現の世界に大きな風穴をあけ、自由でのびのびとした表現の楽しみを多くの人にもたらすのではないかと、私は明るい展望を持って信じている。