2013年7月14日夜、下北沢〈レディ・ジェーン〉での「ののみずしゅんライブ」が終了。
現代朗読の野々宮卯妙、ヴォーカルの酒井俊、そして私の即興ピアノ演奏の三人のライブ。
残念ながらお客さんはすくなかったが、私としては最高にスリリングなライブだった。
二部構成で、前半はまず私のソロピアノから。
じつはこの前の時間、出演者の三人は食事に出ていて、あまりに楽しくおしゃべりしながら食べていたので、うっかり開演時間の19時半をすぎてしまったのだ。
そこであわてて私ひとりが先にレディ・ジェーンにもどり、ピアノを弾きはじめたというわけだ。
即興演奏から、夏の曲「われは海の子」の6拍子バージョンへ。
演奏を終えたら、野々宮と酒井さんがもどっていたので、三人ライブのスタート。
今回は私が書いた「記憶が高速を超えるとき」の全編朗読。
前半と後半に分けて、途中、休憩をはさんでおこなった。
酒井俊さんとは私も野々宮も初の共演。
いうまでもなく凄腕のボーカリストで、数々の歌もののヒットも知られているが、今回はあえてすべて即興での「ボイス」でやるとのこと。
事前にすこしだけ打ち合わせはしたが、これをこうやるといったような決めごとは一切なし。
完全即興、「いまここ」にあることだけ、一瞬先はなにが起こるかわからないスリリングなライブだった。
私と野々宮はこれまで何度もやっていて、おたがいの手の内はある程度わかっているのだが、俊さんとは初めてなので予測はまったくつかない。
とんでもない声やフレーズやタイミングで仕掛けてこられるので、いやいやこれが楽しいのなんのって。
私も野々宮も、俊さんといういわば「異物」がはいりこんだことで触発され、自分でも思いがけない反応が引きだされていく。
これまで多くのライブをやってきたが、昨日ほど完全に言語的思考を手放せてマインドフルに演奏できたことはなかったかもしれない。
これも野々宮と俊さんを信頼でき、また私自身をも信頼して思考を手放し身体に任せきれたおかげだと思う。
とても気持ちよかったと同時に、大きな自信を得ることもできた。
俊さん、野々宮、そしておいでいただいたお客さん、来てくれたゼミ生のてんちゃん・植森さんに感謝したい。
映像記録があるのだが、未編集なので、ほんの一部を抜粋で掲載しておく。