私も過去には経験があるのだが、自分がいまこのような不遇をかこっているのは世間のせいだ、人間関係がうまくいかないのはまわりが悪いからだ、これからどうやって生きていけばいいのかわからない、など、いつもイライラしたり不機嫌になりがちの人がいる。
自分の経験に照らしあわせて、これらはいずれも、なにか気にいらないことの原因を人のせいにしたり、自分の過去の失敗をいつまでも引きずっていたり、まだ起こってもいないことをくよくよと思い悩んだり、といった、いわゆる「マインドレス」の状態のときに起こる。
私は現在もさまざまな問題を抱えていて、けっして順風満帆というわけではないが、それでも日々機嫌よくさまざまな問題を「楽しみながら」こなせるようになったのは、ほんのここ数年のことだ。
私の幸福のキーワードは「マインドフルネス」「呼吸法」「表現」「共感的コミュニケーション」「音読療法」だろう。
さまざまなことが複合的に進んでいたのだが、それらを一気に統合する導火線になったのは、ティク・ナット・ハンの著書との出会いだった。
そこで初めて「マインドフルネス」という概念に出会った。
それを核にして、私がやってきた朗読や音楽、テキストなど「表現」についての統一的見解がまとまりはじめ、ヨガや武道の知識も取りいれながら、表現行為の身体性について深くかんがえるようになった。
それに加えて、NVCとの出会いという大きなできごともあった。
そんななか、2011年3月に東日本大震災が起こった。
私の知識と経験をフル稼働して、自分にできることをかんがえ、実行に移していった。
その過程で音読療法というすぐれた体系をまとめることができた。
なにより私自身が楽になった。
いまの日本、世界、社会はさまざまに困難な局面に満ちているが、そんななかで自分自身をイキイキと保ち、自分自身の人生を生きていく。
音読療法はそのようなことのお手伝いができると確信している。
宣伝ベタでなかなか広めることができないのだが、なんとか音読療法を多くの人に知ってもらい、イキイキとした毎日を送ることに役立てていただきたいと思う。
次回の2級ボイスセラピスト講座は5月19日(日)開催。
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