いま聞いたばかりのニュースだが、うれしくて思わず筆をとっている(キーボードを叩いている)。
菅直人首相が、現在稼働している静岡県御前崎市の中部電力浜岡原発5号機と6号機の停止を要求した、との速報と記者会見。
浜岡原発は1号機と2号機がすでに廃炉が決まっている。また3号機は定期点検中で停まっていたが、今回の首相要求を受けることになれば、これも稼働再開はないだろう。
東海地震の震源域の真上にあることで、学者などから再三、危険を指摘されていたが、これでようやく浜岡原発はすべて停止することになった。
現在、東京電力福島第一原発の事態がまだまだ予断を許さない状況ではあるが、浜岡についてはうれしいニュースだ。
しかし、これだけの決断をくだすには、相当の葛藤と要因があったに違いない。
まずは浜岡原発の耐震性だろう。かねてから問題視されていたものが、福島の事故で実証された形になった。本当に大地震が起こったら、福島の二の舞になる可能性が非常に高い。そのリスクを避ける決断だろう。いまもし事故が起こったら、責任を問われるのは現政権であろう。
福島第一原発だって、そもそもは自民党が推進して建設し、稼働してきた発電所だ。いや、原発そのものがもとを正せば、読売新聞社主だった正力松太郎と自民党の中曽根康弘がアメリカと手を組んで日本列島に導入したものだ。その一号機は敦賀にあり、70年の大阪万国博覧会と同時に稼働をスタートした。
日本の原発の歴史はそこから始まっている。
今回の決断にあたっては、政財界の利権集団やアメリカ、フランスなどの外圧など、恐ろしい軋轢があるはずだが、それを断ち切って踏み切ったことは、評価に値する。
菅首相や現政権は、指導力不足とかいろいろなことがいわれているが、自民党ができなかった原発の停止という重大決断をくだせたということは、賞賛していいのではないか。政争ではなく、国民の声をきいたということになろう。
今後、この動きは、日本のすべての原発の稼働に影響を与えるだろう。他国の政策にも影響を与えるかもしれない。
この際、日本が先頭を切って脱原発、脱化石燃料を推進し、クリーンエネルギーに力をいれてほしい。
あとは福島の事態が一刻も早く収束し、周辺住民が安心できるようになることを祈るばかりだ。