まずタイトルに驚いた。このような強い問いで本が成り立つのか?
帯はもっとすごい。
「暴力によって、犯罪によってしか、現代人は結びあえないのか」
いま、NVC(非暴力コミュニケーション)というものを勉強しているところなので気になったというのもある。
また、帯にはこうも書かれている。
「昭和天皇大喪の礼から『1Q84』まで、平成の現実(リアリティ)感覚を根底から問う批評の冒険!」
まだほんの冒頭部分しか読んでいないが、こんな文言があった。
昭和から平成になってさまざまなことが次々と終焉を迎えたことを指摘しながら、
「すべて「終わり」でしかなかった。海外はともかく、すくなくともわが国では何もはじまりはしなかった。無邪気に、無自覚に、降り注いでくる、様々な終わりを眺めながら打ち興じていた。それは、現在も変わっていない。
文芸において、その空虚さは、最も深刻であるように思われる」
昨日、直木賞と芥川賞の候補作品が発表された。
『現代人は救われ得るか』福田和也/新潮社