福島第一原発3号炉の経過を簡単にまとめておく。
緊急停止したが、炉心冷却のための給水ポンプが起動せず、水位が低下して燃料棒が冷却水から露出した。
一時、3mも露出した、という情報もあった。
そのため、別の手段で核反応を抑える物質であるホウ素を混ぜた真水を炉心に注入したのだが、それでも水位の低下が止まらず、やむなく海水の注入に踏みきった。
この時点で、事実上、原子炉の廃棄を決断したことになる。
廃炉には数千億円のコストがかかるといわれているので、相当レベルの政治的決断が必要だったと思われる。
この間、私の推測になるが、燃料棒の一部が損傷して、皮膜金属のジルコニウムが冷却水に落下してのではないか。
その根拠として、枝野官房長官の談話にあった「原子炉建屋上部に一定量の水素がたまっている可能性がある。1号炉のような爆発が起こってもおかしくない」というものがある。
高温の燃料棒などが落下して水に触れたとき、水が分解して水素が発生する。発生した水素が、減圧のためのベント作業で建屋内に漏れ、上部にたまったのではないか。1号炉の爆発はこのようにして起こったと思われる。
いずれにしても、現在は海水注水に成功し、燃料棒は水没しているという。
このまま原子炉の冷却に成功するのかどうか。損傷の程度が再臨界を引き起こす重大なものではないことを祈るばかりだ。
万が一、最悪の事態になったとき、放射能被害はどの程度なのか、こちらのサイトがとても客観的でわかりやすくまとまっている。