2011年10月12日水曜日

音倉ランチタイムコンサートでの個人的手応え

今日は午後1時から下北沢〈Com.Cafe 音倉〉でランチタイムコンサートでした。
 数日前の雑談でも書いたんですが、今日のミニライブでは、自分のピアノ演奏スタイルについてあるチャレンジをやってみようと思っていました。
 ある程度準備しておこうと思ったんですが、母が入院・手術したために帰省したり、風邪をひいたりして、思うように練習ができませんでした。今日の午前中にほんの数十分、ピアノに向かえたくらいで、考えていたチャレンジができるかどうかは本番になってみないとわからない、という状態でした。

午後1時前に音倉に行き、そのまま本番。
 今回は朗読ゲストの野々宮をのぞいて知り合いはひとりもおらず、私のこともランチタイムコンサートのこともまったく知らないままたまたま来ていたお客さんが3、4組という来客状況でした。
 そんななか、まず唱歌の「紅葉」からスタート。メロディラインは押さえつつ、本来のコード進行もリズムも自由に遊ばせながらのフリースタイル演奏。とくにテーマ部分を終えて即興演奏に入ったら、まったくの自由。
 とはいえ、フリージャズとは違います。調性感やリズムはある程度保持しています。だから、音楽に詳しくない人が聞いたら、あまり違和感なく普通の演奏に聞こえるかもしれません。が、聞き慣れた人なら、なにか変なことをやっていることにすぐ気づくはずです。とくにジャズ系の音楽を聞き慣れた人なら。
 できるだけなにも気にせず、とらわれず、弾きたいことを弾きたいように自分に許してやる、それが今回のチャレンジでした。同時に、「指や手で弾く」ことをやめて、「身体全体で弾く」ことを心がけました。

 2曲めは朗読の野々宮が入って、童謡「黄金虫」からそのまま夏目漱石「夢十夜・第三夜」へ朗読とのセッション。
 いつもだと、朗読とのセッションと、ソロでのピアノ演奏とは、自分のなかでくっきりと風景が分かれているんですが、今日はあまり違和感なくつながっていきます。
 あとで野々宮から「いつもと音が全然違っていた」と聞いて、チャレンジはある程度成功したのかなと思いました。
 そして、演奏が楽しかったのです。
 お客さんたちの反応もよく、まったく初めて私の演奏を聴く方たちだったのに、暖かい拍手をいただきました。また最後まで席を立つことなく聴いていってくれました。これはうれしかったですね。

 まったくもって不器用な話ですが、この年になってようやく自分の演奏スタイルを発見できたような気分です。生きててよかったね(笑)。
 音倉でのランチタイムコンサートは毎月第二水曜日の午後1時からです。来月は11月9日ですね。