2014年6月21日土曜日

夏至、悔いのない一日、だけどもう少しだけ時間がほしい

今日は夏至。
一年で一番日が長い一日。
私はこの季節が一番好きだ。
夏がいいなあ。
羽根木の仕事場も、朝は涼しくて、いろいろはかどる。

午前中は現代朗読基礎コース全10回の最終回。
身体の連動や恊働を見るために、韓氏意拳の形体訓練の動作をやってみる。
私も最初はそうだったが、これがなかなか手強い。
自分の身体にたいする意識や、自分の身体が要求している形、軌道、そして声といったものを聞き取る緻密で繊細な作業ができない。
それでもやっているうちに、いろいろな気づきが生まれてくる。

途中で宅急便が来て、BCCKSで発注した『現代朗読考』と『音読療法の基礎』の紙本が届く。
『現代朗読考』をゼミ生たちが買ってくれてうれしかった。
電子ブックで買えば300円だが、紙本だと900円。

基礎コース終了後、参加者のひとりのはづきさんがゼミ生になってくれた。
また仲間がひとり、うれしいなあ。
ゼミ生、つまり現代朗読協会の正会員は、増えたり減ったりして、だいたい20人くらいを行ったり来たりしているのだが、去っていく人がいると悲しい分、参加してくれる人がいるとひときわうれしい。

昼はみんなでパンを買ってきて、羽根木の家の玄関前のアンズでできたジャムを塗りながらランチ。
療養で入院中の山浦くんが、一時退院で来てくれて、イベントの相談。
放送部とか、ライブや公演の進行とか、サイトのこととか。
サポートがありがたい。

昼ゼミ。
ふだんあまりやることのない、日本語の発音発声規則について、やや厳密に勉強してみる。
我々がいかに、ちゃんと「共通語」としての日本語をしゃべれていないか、の検証。
そんなことは表現とはまったく関係がないのだが、しかし知っていて、それができるかどうかというのは、対外的にはちょっと意味を持つ。
まあ、ゲーム的におもしろい面もある。

そのあと、ひとりずつ、自由に読んでもらった。
梓には、動きのある朗読表現はどうやって生まれるか、ということについて、ピアノ演奏とのセッションを通じて検証してもらう。
晩さんは例によって『白恋』という恋愛小説の一節を朗読。
おっさんが書き、おっさんが読んでいるのに、なぜかとても女性的な印象を受けたのがおもしろかった。

まりなに私の『こどもの頃の七つの話』のいくつかを読んでもらう。
椅子の上に正座しての朗読。
とても自然で、たくらみがなくて、気持ちがいい。
自分の書いたものがそのように読まれるのを聴くのは、本当に幸せなことだ。

終わってから、まりなのお母さんの話になり、お母さんが描いているイラストというか漫画の話で盛り上がる。
私もお母さんにツイッターのアイコンを描いてもらうことにした。

今日も楽しい一日だったなあ。
マインドフルネスがもたらす幸福は、一日を人の一生にひとしいものにしてくれる。
楽しいこの世からいずれおさらばする日が来るのは寂しいことだが、悔いはないだろう。
ただ、アンフィニッシュドワークがいくらか心残りなので、もうすこしだけ時間をもらえるとありがたい。