2014年3月26日水曜日

音読療法入門とミュージック・メディテーション・ライブ&セミナー開催

来週の月曜日、3月31日の午後2時から、標題のライブ&セミナーを開催する予定だ。
すでに何人かの方から参加のご予約をいただいているのだが、まだ参加枠に多少の余裕があるので、このライブ&セミナーについてちょっと説明しておきたい。

8年前、現代朗読協会が設立されたとき、活動の拠点は豪徳寺にある酒屋の倉庫みたいな地下スペースだった。
資金難から私はそこにしばらく住んでいたのだ。
足かけ5年くらい住んでいたかもしれない、さすがに身体をこわしそうになって、地上の部屋を借りた。

かなり広い地下空間だったので、片付ければちょっとしたライブもやれるほどだった。
音響もなかなかよかった。
実際、何度もライブをやっていて、多いときには60人以上入れたことがある。
それはさすがに窮屈だったが、30人くらいのライブは普通にやれたのだ。
いまかんがえるとけっこう使い勝手のいいスペースだった。

その地下室で私は一時、おもに自分の演奏表現の修行をかねて、ソロライブを月に一回くらい定期的にやっていたことがある。
これはたしか丸一年くらいつづいたはずだ。
「Into Your Mind」という、ちょっとストイックな感じの演奏会で、照明も絞って、お客さんも私も音に集中できるような環境をこころがけていた。

そのなかで、ウォルフィーくんという、いまも元気にしているはずだが、盲目のサックスプレイヤーをゲストに招いたことがある。
リハーサルのとき、彼に「照明どうする?」となにげなく聞いたところ、「どうせ見えないからどっちでもいい」という返事だった。
それはそうだな、と思ったが、いっそのこと真っ暗にして演奏してみてはどうだろうと思いついた。
ウォルフィーは暗闇でも演奏に支障ないし、私も真っ暗でもピアノを弾けることがわかっていた。
そこで、初めて、一曲か二曲だけだったと思うが、暗闇のなかで演奏してみた。

終わったら、聴いていた人たちからかなり大きな反応があって、ちょっとびっくりした。
なぜか泣いてしまった、という人もいた。
べつに泣けるような曲を演奏したわけじゃない。

そんなことがあって、現代朗読協会が酒屋の地下から、すぐ近所の地下音楽スタジオに拠点を移したとき、そこでも暗闇のライブを、今度は意識的にプログラムを作ってやってみることにした。
プログラムを作るにあたって参考にしたのは、ポーリン・オリヴェロスのワークショップだ。
これが「ミュージック・メディテーション・ライブ」のはじまりだった。

地下なので、完全な暗闇を作ることができる。
目をあけても、自分が目をあけているのか閉じているのかわからないほどの暗闇だ。
そして音楽スタジオだったので、防音もほぼ完璧だった。
即興のヒーリングミュージックの演奏と、最小限のことばによるガイダンスで、オーディエンスをメディテーション(瞑想)の世界へとみちびく。
これがかなりのヒーリング効果があることが、これまでの経験でわかっている。
が、うまく広報ができずに、開催してもなかなか人が集まらない状況がつづいていた。

今回、世田谷区の子ども基金の助成を「サークル・おひさま」が受け、それに協力する形で標題のイベントを開催することになった。
音読療法の呼吸法とミュージック・メディテーションをあわせた、体験型のライブ&セミナーになるはずだ。
参加者にも呼吸法だけでなく、実際に声を出してもらったりして、「表現療法」も体験してもらうことになっている。
ミュージック・メディテーションでたかまった感受性のなかで自分の声による表現を体験するのは、日常生活のなかではなかなか得られない感じだと思う。

託児もできるので、子ども連れの方もぜひ気軽に参加してみてほしい。
イベントの詳細と申し込みはこちらから