この日の昼は羽根木の家でNVCのチャリティーバザーをやっていて、私も喫茶バーテンとして参加。
その他、ピアノを演奏したり、朗読とセッションしたりと、けっこう働いたあと、ほぼ完治しかけているとはいうものの骨折した足を抱えてステッキをついて中野まで移動。
乗り継ぎが悪くて、18時すぎに〈Sweet Rain〉に到着してみたら、すでに近藤さんも日野くんも来ていた。
軽くリハーサル
ほんとに軽く。
曲目と、どんな感じでやるのか、ほんのさわりだけ確認し、しかし基本的には本番の流れで変更ありということで。
いつもはフリーで自由にやっている三人が、この日ばかりはルールにのっとって演奏するという縛りが、かえっておもしろい。
ジャズは即興演奏が命、といっても、じつはでたらめでやっているわけではない。
リズム、コード進行、使える音などがけっこうしっかりと決まっていて、その制約が「ジャズっぽいサウンド」を生み出している。
それらを全部とっぱらってしまうと「フリージャズ」になるのだが、これはなかなか一般のリスナーが楽しめるような音ではない(私は好きだが)。
ところで、おもしろい法則があって、フリージャズを演れるプレイヤーはフォーマルなジャズも演れる。
逆に、フォーマルなジャズプレイヤーは、フリーは演れない。
だからフリージャズプレイヤーのほうがえらい、といっているわけではない。
今回はフリージャズプレイヤーがフォーマルを演るとどうなるか、という、一種の試みでもあったかもしれない。
お客さんがけっこう多くて(これも非フリーの特徴だ)、開始予定の20時を大幅に押してスタート。
私はめったにないフォーマルなジャズ演奏ということで、けっこう緊張していたように思う。
が、始まってみれば、楽しんでしまうしかない。
近藤さんも日野くんも、信頼できるプレイヤーなので、多少私がミスしても、楽々とフォローしてくれる、という安心感のなかで、フォーマルながらのびのびと演奏できた。
終わってから、来てくれた知り合いからは、とっても楽しんだ、よかった、といった感想をたくさんもらった。
近藤さんからも、またやりましょうといっていただいて、うれしかった。
こういうのもたまにはいいだろうと思った。