2011年9月28日水曜日

現代朗読協会・東北被災地ツアー報告(10)

市役所から会場である仮設住宅のある地区へと車で移動。
 街なかから郊外へと出ると、とたんに津波の傷跡が目立つようになってきます。車のなかから写真を撮りながら移動していったのですが、げろきょのみんなもなんとなく口数が少なくなってしまいました。
 すっかりサラ地になってしまった住宅地のあいだに、まだ片付けられていない家や建物が散在しています。聞けば、瓦礫の置き場所がもう満杯で、あらたな瓦礫置き場が決まるまで片付けようにも片付けられない物件が多くあるということです。
 写真にあるように、郊外型の本屋さんは、震災から半年以上たつのに手つかずで、壊れたまま営業できていません。この先、この本屋さんは営業できるようになるのでしょうか。
住宅の被害はさまざまで、一階部分はかなり壊れているけれど、二階部分はほとんど無傷で、二階に住んでいるような家もあれば、二階まで被害が及んでとても住める状態にないものがそのまま残っていたりもします。震災から半年以上たっていることをかんがえると、その被害の大きさと深さを思わざるをえません。
また、家をなおすにも、資金がある人はいいでしょうが、資金に余裕のない人は難しいと思われます。罹災証明書の発行も遅れていたり、認定基準が難しかったり、さまざまな条件でつらい思いをしている人も多いようです。
 支援の手はまだまだ必要なのです。
 そして、支援は継続的な物資の支援のほかにも、今度はしだいに精神面の支援も必要になってきています。なかなか生活や環境が改善しないこのような状況が長くつづけば、身体ばかりでなく心も疲弊していくであろうことは容易に想像がつくことです。
 では、実際にどんな支援が必要なのでしょうか。それについては、充分にしっかりとかんがえていきたいものです。

 三谷産業の支援も、当初は食糧や食器などの消費材、生活物資が優先的でした。そしてそれは大変喜ばれました。とくに揃いの食器類は、一家がそろっておなじ食器で食事ができるのがうれしい、といって、ただお腹を満たすだけではない食事の楽しみを取りもどすこともできたのではないでしょうか。
 こういった物資面の支援は引きつづき必要ですが、さらにメンタルケアなどの精神的な支援、娯楽やコミュニケーション面での支援などが、今後はさらに必要になっていくと思います。その点で、現代朗読協会がおこなうような公演(=娯楽)とワーク(=コミュニケーションとメンタルケア)を組み合わせた活動はお役に立てるかもしれません。これに物資支援も組み合わせれば、かなり立体的で柔軟な支援活動を実現できそうな気がします。
 これについては、今後、三谷産業のみならず、さまざまな団体や個人へも協力をあおいでいきたいものです。
(つづく)