引っ越しの際、鉢が割れて植え替えが面倒で玄関外に放置してあったエバーグリーンが、暑気と乾燥にやられて枯れかけていたので、さすがにかわいそうになって割れた鉢から抜き、枯れた枝葉を落として、植え替えることにした。
思ったより傷みが進んでいたので、思い切って全部枝を落とし、密集していた根もほぐして洗い、とりあえず水をいれたポットに挿して、復活をはかることにした。
午前中は朝ゼミ。
オーディオブックリーダー養成講座の参加者がゼミに出た感想を、
「やっていることの意味がわからない」
といったが、正直で真摯な感想なのだろうと思う。
私たちは毎回やっていることなので、ごくあたりまえに思っていたが、外部からやってきた人にとっては一般的にやっていることとはあまりに違いすぎて、理解できないのだろうと思う。
私たちは特別なことをやっているという意識はないのだが。
現代朗読でやっていることの「意味」や「目的」を語ることはそう難しいことではない。
実際に私も書籍『現代朗読考』などでも多く語っている。
しかし、意味や目的を掲げてしまうと、多くの人はそれにむかって進んだり、効率的に学ぼうとする。
それが自然なことだ。
そしてそのことで見落としてしまうことも多い。
日本の徒弟制度や寺子屋方式のすぐれた点はそこで、意味や目的を提示せず、ただ「いわれたとおりにやれ」といって、学ぶ者もただいわれたとおりにやってみた。
その結果、「みずから気づく」という広大な海原にこぎだし、結局のところ師匠をも越える後継者が続出することになったのだ。
私も今日は、意味や目的を掲示することについて気づくことが多かった。
昼は奥田くん、KAT、フジサワさんとひさしぶりに東松原の〈アイキッチン〉でカレーを食べる。
そのあと羽根木の家にもどり、仕事をしようとしたが、今日は昨日までより涼しいはずなのになぜかかなり暑くてうだったので、環七の〈カフェニスタ〉に避難して仕事。
夜は夜ゼミ。
病気療養中の浦さんが早めに来て、げろきょのインフォメーションペーパーの取りまとめなどの相談。
てんちゃんが菜穂子さんを巻きこんで、いつもの連続朗読をコンタクト・インプロヴィゼーション的な動きをまじえてやったのがおもしろかった。
みぞれちゃんは明後日の白楽〈ビッチェズ・ブリュー〉の作品を少し聴かせてもらって、打ち合わせも兼ねる。
じゅみさんは『風姿花伝』を読んだが、ちょっと注文をつけさせてもらったり、ピアノと合わせてもらったり、いくつかの試みが楽しかった。
※明日8月9日(土)夜、横浜白楽〈ビッチェズ・ブリュー〉にて山田みぞれの朗読と水城ゆうのピアノによるライブセッションをおこないます。詳細はこちら。