いつもどおり、まずはウォーミングアップ。
……の前に、体操マットを敷いて、軽く受け身の練習。
高校生のときにすこしやったことがあるが、柔道の前回り受け身だ。
これが思ったよりやばかった。
頭を打たないようにやや首をひねり、肩口から背中へマットにつくように前回りをするのだが、ぐるりと回転すると思いがけず強烈なめまいに襲われた。
そういえば、前回りなんて何十年もやっていない。
三半規管がなまってしまっているらしい。
たった一回回っただけなのに、めまいで上下感覚が失われて、即座に立てないほどだった。
そのあと、ウォーミングアップがてら、体育室をぐるっと走り、一周ごとにマットで前回り受け身をしたのだが、なんとか徐々に回転に慣れてきて、徐々にめまいはおさまっていった。
それにしても、乗り物酔いのような気持ち悪さがしばらくつづいたのはやばい。
ウォーミングアップのあとは、対人でのコンタクトの練習。
駒井先生は「フルコンタクト韓氏意拳」などと冗談をいっていたが、通常韓氏意拳では打撃のコンタクトも対人練習もない。
ひとり稽古が中心になっている。
しかし、この対人稽古をつうじて、ひとり稽古をおこなうときの大きなヒントを得ることができる。
そもそも武術の経験もない、日常での運動経験も薄い者にとって、いきなりただじっと立っているだけのひとり稽古は雲をつかむようなもので、なかなかその意義を理解できるものではない。
ある程度の経験があり、また日常的に身体を使う習慣を持つことが、ひとり稽古のベースになるというのが駒井先生のアイディアで、実際にやってみると賛成できることがわかる。
しかし、対人でのコンタクト練習といっても、練習相手には女性もいるし、私も含め年齢を重ねた者もいるので、節度が求められていることは安心できる。
武術の稽古において「怪我をしない」という信頼感があると、さまざまな観察や試行ができるように思う。
駒井雅和中級教練による国立での韓氏意拳初級&養生功講習会を1月21日(月)14時からJR国立駅徒歩5分の会場にて開催します。