今年の抱負はなんだろう。
執筆仕事、朗読、コンテンツ制作、それぞれに明確なテーマがあって、それなりに整理できているので、いまさら明らかにする必要もない。
今年、もうひとつ、どうしてもやりたいことがあって、それは「勉強」。といっても、学校に行くとか、だれかに教えを請う、というようなことはしない。そもそも私はこれまでほとんどそういう勉強法をとってこなかった。いまさら自分のスタイルではない勉強法を試す余裕も時間もない。
いつも独学だ。ただし、いまはいっしょに勉強しようという仲間/コミュニティがある。げろきょだ。ここは私がこれまで一度も経験したことのない、おだやかで、特定の価値観や立場に縛られない自由な学びの場となっている。奇跡のような場である。私はこのような場をほかに知らない。
このコミュニティとつながりながら、今年はたくさん勉強したいと思っている。
一番勉強したいことの核は「文法」である。
世の中にはさまざまな文法がある。英語や日本語の文法はもちろんのこと、文学の文法、音楽の文法、数学の文法、思想哲学の文法などなど。間違ってはいけないのは「文法」と「語法」は違う、ということだ。
たとえば、語法がわかれば英語を話せるし、音楽をそれらしく演奏することもできる。が、文法を知らなければ英語を書くことはできないし、音楽を作ることもできない。文法を知れば、それを正しく使うこともできれば、わざと誤ることもできる。
昨年末、某芸大の発表祭みたいなのを見に行ったことがある。学生たちの作品はフレッシュでなかなかおもしろかったのだが、うすっぺらいものも多かった。語法は知っているが、文法は知らない者による表現の典型である。聞けば彼らは、作品をたくさん見ろ、とはいわれるが、芸術史や芸術論を系統的に学ぶことはほとんどないらしい。作品を見てその語法をまねることは簡単だが、その作品を生んだ文法を見抜き応用することは難しい。たくさんの文法を学んだ者でなければ、個別の表現作品に用いられている(あるいは用いられていない)文法を見抜くことはできない。
そういう意味で、今年はたくさんの文法を勉強したいと思うのだ。まずは表現芸術分野の文法について調べてみようかと思う。
それとは別に、今年2010年はげろきょをより多くの方に知っていただきたい。そして、「朗読の見方/聴き方」を深め、理解してもらいたい。クラシック演奏にその「聴き方/姿勢/身体性」があるように、朗読にもある。それを知れば、見えなかったもの/聴こえなかったものがとたんに立ちあがってくる。それを共有したい。そのためにも、今年もたくさんメッセージを発していくつもりだ。
今年は5日に東京に戻るが、さっそくその日からライブのスタート。
ほかに、スタートダッシュのように予定されていることども。
1. 1月5日(火)夜 Pignose「げろきょでないと Vol.5」
2. 1月9日(土)18:00-20:00 ゆる〜みんぐ講座 by せ〜じ
3. 1月9日(土)14:00-17:00 ライブワークショップ第三期初日
4. 1月10日(日)10:00-17:00 現代朗読一日講座
少し先だが、
5. 3月6日の「沈黙の朗読」
正式名称が「沈黙の朗読 - 記憶が光速を超えるとき - 」となり、チラシの準備に取りかかっている。
その他、14日夜にはNVC入門、16日/17日にはNVC週末講座が開催される。
今年もよろしく、なのだ〜。