2014年5月11日日曜日

変わるのを怖れる人々

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人には平和で安定した日々が継続することを望むこころと、みずから成長し変化することを望むこころが同時にある。
前者は大人になればなるほど強くなり、子どもは後者のニーズが強い(ように見える)。

大人になると、現状が変化することをおそれ、安定・継続を望むようになり、結果的に人間的成長はとまる。
つまり、安定を望みすぎる人は成長もしない。
成長しない人は魅力的だろうか。
あるいは、自分自身が成長を望まなくなったとき、それは楽しいだろうか。

もうひとつの問題がある。
安定した現状が継続することを望み、現状維持につとめるとき、それはじつは現状維持ではなくゆるやかな劣化であり後退になっているという事実がある。
なにごとかがその状態を永遠に持続するということはありえないことで、メンテナンスしたり向上につとめないかぎりかならず劣化する。
ゆるやかな劣化はほとんど目に見えず、しかしそれはある日突然、大きな破綻となって現実化する。

安定というのは幻想の一種で、人が生きて時間軸を移動している存在である以上、かならず変化する。
変化する以上、積極的に成長という変化を選びとるか、ただ流されていくほうを選ぶかは、個々人の自由だ。

共感的コミュニケーションでは、自分自身と人にたいする「ふるまい」を変えることを学び、身につける。
すると、自分がいままでとは違う別の人になってしまうような怖れを抱く人がいる。
それは違う。
「ふるまい」が変わるのであって、自分がだれか別の人になってしまうわけではない。
変化した自分になるだけだ。
変化することを怖れず、たえず、死ぬまで成長しつづけたい。
そのことを伝えつづけたい。

※5月14日(水)夜、下北沢の旅カフェ〈ステイ・ハッピー〉で共感的コミュニケーションの勉強会「共感カフェ」を開催します。詳細と申し込みはこちら