そして今日は現代朗読基礎コースの5回め。
いずれも大変おもしろかった。
オーディオブックコースでは、朗読するとき、自分が「自分以外の何者か」に、あるいは「社会的に規定されたある役割」になってしまう問題について、つぶさに検証してみた。
たとえば、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」というテキストを、芥川龍之介らしく、蜘蛛の糸らしく、作品のイメージをなぞって「それらしく」読むときと、そんなことは全部手放してただ自分の「いまここ」の感じに接続してただ読むときとでは、どのような変化があるのか、ということをみんなでトライしてみた。
思いがけない結果が生まれて、大変おもしろかったのだ。
私たち人間は社会的動物なので、たえず自分自身の外側にまとった社会性を演じている。
そのことが自分自身を表現することの純粋さを著しく損なうことがある。
といったことを検証できて、おもしろかった。
今日の基礎コースは、参加者それぞれの個人的な音域、呼吸の特徴などについて、客観的な観察と把握をまずおこなった。
それからリズム読みの練習。
いかに我々が「意味」に引きずられて、朗読という音声表現にそれを持ちこんでいるか、意味から自由になって「音/リズム」について豊かな感受性を持てるか、ということについて、楽しく学べたと思う。
基礎コース後、ゼミ生の平田くんがひさしぶりに顔を出してくれた。
彼のスキルをあてにしていたサイトの移管作業を、ここぞと完了させる。
その作業のかたわら、私は語り部・小林さやかちゃんの「高句麗ものがたり」のための音楽製作、最終ラウンドを進める。
完全完成までにはまだすこし残っているが、とりあえず練習で使えるレベルまで完成したので、ひと安心。
2曲作るのに、すきま時間を使いながらではあるけれど、たっぷり2週間かかってしまった。
明日は朝から北陸の実家に移動。