2019年6月27日木曜日

「筆記」のパワー/書く習慣で毎日をクリアにすごす

最近——にかぎらないかもしれないが——書くことがあらためて注目されている。
仕事のこと、自分の人生や日常のこと、心の問題、人間関係など、書くことがさまざまな問題を解決することに力を発揮する。
それは書くことを仕事として毎日あたりまえにおこなってきた私でも、あらためてそう感じる。

仕事というが、そもそも書くことを仕事としてはじめたわけではない。
小学生のころの作文や日記からはじまって、手帳、メモなど、二十代後半に職業作家になる以前からずっと書きつづけていた。
書くことが好きだったともいえる。
いまもそうで、仕事であろうがなかろうが、毎日なにかしら書いている。

書く習慣が身についていない人がいたとしたら、ぜひとも、いまからでもいいので、身につけるといいと思う。
それは人生にパワーをもたらしてくれる。

こころの問題の分野でも書くことの効果は注目されている。
たとえば『筆記療法』という本がある。
サブタイトルに「トラウマやストレスの筆記による心身健康の増進」とある。
レポーレとスミスという外国人が書いた本だが、日本語に翻訳されている。
筆記すること、つまり書くことが、こころの療養になるという内容の本だ。
たしかに書くことにはそういう面があると思う。

書くというのは、自分の思考を整理し、言語化して明らかにする、ということでもある。
私たち人間は発達した大脳を持ち、いつもなにかしらごちゃごちゃとかんがえている。
自分でもつかみかねるほど、絶え間ない思考が浮かんでは消えていく。
大切なことがらも、どうでもいいようなつまらないことも、自分の行動をさまたげるような思いこみやジャッジも、ごちゃまぜになって頭のなかに存在している。
それを書きだして整理することで、自分がなにを大切にしていて、どんなことが必要なのか、なにができるのかをクリアにしていくことができる。

書くことによって、非暴力コミュニケーション(NVC)のプロセスをテキストをもちいておこなうこともできる。

NVCのせよ、現代朗読などの表現行為にせよ、ともかく書くことによって私は自分の理解を深めたり、考え方の整理をしてきた。
とくに重要なのは、経験したことを書きだし、整理し、ニーズを明らかにし、理解を深め、可能性や自分が進みたい方向を見極めることだ。
私はこれに多大な時間をついやしてきた。

たとえばNVCひとつをとっても、まずだれよりも多くの時間を書くことについやしてきたと自負している。
共感カフェなどで人の話を聞き、話し合い、実際に体験したことを、ひとりの時間を使って書きだし、整理し、理解を深めることをおこなってきた。
書くことでものごとの理解を深め、自分のものにしてきた実感がある。

書くことでNVCの練習をしたり、自分自身につながって毎日を明確にしたり、テキストコミュニケーションで人とつながる方法を身につけたりするのが、「共感文章講座」だ。
また、私が日々、自分の整理のためにおこなっている手帳に書きだす方法は、「共感手帳術講座」になっている。

この課程で生まれてきたテキストや音声コンテンツをオリジナルコンテンツとして出版していく方法も、「自力出版講座」となっている。

これらのもとになっている私の経験が、ただ個人的な経験としてだけでなく、みなさんの役に立てるといいなというのが、私の人生の終盤の願いのひとつとなっている。
ぜひご参加いただき、直接私から受け取ってほしいと思っている。